フレックスタイム制の近年の動向


  • 各企業が働き方改革やワークライフバランスを進める中で、「フレックスタイム制」を導入したり、適用範囲を拡大する動きが広がっている
  • 正社員の働き方を多様化・柔軟化するために、「(柔軟な)フレックスタイム制」について「今後、検討余地がある」企業は32.6%
  • フレックスタイム制を導入している事業場に対してフレックスタイム制の問題点について見てみると「従業員の時間意識がルーズになる」の29.4%で最多

各企業が働き方改革やワークライフバランスを進める中で、「フレックスタイム制」を導入したり、適用範囲を拡大する動きが広がっています。最近では、NTTドコモがフレックスタイム制の対象者を拡大したり(日経新聞web版H29.5.17)、ソフトバンクでは今年4月から1万8千人の全従業員の内1万人を対象に、コアタイムを廃止すると報じられました(同H29.2.13)また、トヨタ自動車では、コアなしフレックスタイム制と45時間分の定額残業手当を組み合わせた「脱時間給」的な新制度を検討していると報じられました(同H29.9.12)。

しかし、フレックスタイム制自体は、この10年でむしろ廃止が進んでいた制度でした。調査によれば、大企業でフレックスタイム制を採用している割合は、平成18年では31.2%であったのが、平成28年には22.1%と10%近く減少しているからです(厚労省「就労条件総合調査」)。

今、この流れが少し変わりつつあるようです。JILPTの別の調査(「労働時間管理と効率的な働き方に関する調査」)によれば、正社員の働き方を多様化・柔軟化するために、「(柔軟な)フレックスタイム制」について「今後、検討余地がある」企業は32.6%でした。

そこで、今回は、平成26年に公表されたJILの「裁量労働制等の労働時間制度に関する調査」を元に、近年のフレックスタイム制の傾向についてみてみることにしましょう。

はじめに、フレックスタイム制についてコアタイムの有無について尋ねた質問では、68.6%が「あり」、19.8%が「なし」でした。なお、労働者調査結果では、現行のフレックスタイム制の見直すべき点については「コアタイムをなくすべき」(40.0%)の割合が最も高く、コアタイムのないものを希望する労働者が多いことが読み取れます。

フレックスタイム制を導入している事業場に対してフレックスタイム制の問題点について見てみると、「特に問題はない」を除くと、最も割合が高いのは「従業員の時間意識がルーズになる」の29.4%でした。これは、実際よく聞かれることで、出退勤が自由だとかえって労働時間が長くなるということは珍しくないようです。今、働き方改革などの流れでフレックスタイム制が導入が見直されていますが、このような問題があるということは知っておくべきでしょう。たとえば、清算期間中の労働時間の累計を可視化することが考えられます。

その他、問題点として割合が高いのが「人事担当における時間管理が煩雑になる」の19.3%、「社内のコミュニケーションに支障が出る」の17.6%でした。後者については、いると思ったらまだ出社していない(もう退社した)というすれ違いが生じていることが伺えます。

参考リンク

裁量労働制等の労働時間制度に関する調査結果 事業場調査結果(JILPT)

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