• 年間4回以上支払われる賞与の取扱いについて、より明確にするための通知とQ&Aが発出された
  • 通知では、7月2日以降新たにの支給が諸規定に定められた場合には、年間を通じ4回以上の支給につき客観的に定められているときであっても、次期標準報酬月額の定時決定による標準報酬月額が適用されるまでの間は、賞与に係る報酬に該当しないものとすることなどが明確にされた
  • Q&Aでは通知の内容が事例などで説明されている

世界の年金事務所からvol004:船橋年金事務所

社会保険料の算出にあたって、賞与やボーナスなどの一時金は、通常は千円未満を切り捨てた標準賞与を基礎としますが、がつぎのいずれかに該当する場合は、当該賞与は報酬に該当するものとされています。

  1. 賞与の支給が、給与規定、賃金協約等の諸規定(以下「諸規定」という。)によって年間を通じ4回以上の支給につき客観的に定められているとき。
  2. 賞与の支給が7月1日前の一年間を通じ4回以上行われているとき。したがつて、賞与の支給回数が、当該年の7月2日以降新たに年間を通じて4回以上又は4回未満に変更された場合においても、次期標準報酬月額の
    定時決定(7月、8月又は9月の随時改定を含む。)による標準報酬月額が適用されるまでの間は、報酬に係る当該賞与の取扱いは変らないものであること。

賞与の「支給回数」は次のように考えます。

  1. 名称は異なつても同一性質を有すると認められるもの毎に判別すること。
  2. 例外的に賞与が分割支給された場合は、分割分をまとめて一回として算定すること。
  3. 当該年に限り支給されたことが明らかな賞与については、支給回数に算入しないこと。

そして、今回この取扱いについて、より明確にするための通知とQ&Aが発出されましたので、今回はその内容を見ていくことにしましょう。

今回想定しているのは、インセンティブや歩合給が、一部を毎月、一部を一定期間(たとえば6か月ごと)に支給するような場合の取扱いのようです。

さて、通知では、上記の賞与に関する取扱いについて、2つの点を明確にしました。第一に、「名称の如何にかかわらず、二以上の異なる性質を有するものであることが諸規定又は賃金台帳等から明らかな場合には、同一の性質を有すると認められるもの毎に判別する」という点です。

これに関連するQ&A3で示された例をみてみましょう。これは、①業績に応じて支給される手当として、毎月定額により支給される手当(手当 A1)と、②半年毎に支給される手当(手当 A2)が、給与規程上は「手当 A」として規定されているが、賃金台帳上では「手当 A1」および「手当 A2」と区分して記載されている場合です。この場合には、「手当 A1」と「手当A2」は客観的に区分できるものとして、「手当 A1」を「通常の報酬」、「手当 A2」を「賞与」として取り扱うものとされました。

第2に、7月2日以降新たにの支給が諸規定に定められた場合には、年間を通じ4回以上の支給につき客観的に定められているときであっても、次期標準報酬月額の定時決定による標準報酬月額が適用されるまでの間は、賞与に係る報酬に該当しないものとすることです。したがって、次期標準報酬月額の定時決定までの間は、賞与に係る報酬額を算定することが困難であることから、「賞与」として取り扱い、賞与支払届を提出することになります。

この取扱いは、平成31年1月4日から適用されます。

参考リンク

【事業主の皆様へ】報酬・賞与の区分が明確化されます(日本年金機構HP)

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