今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省が来年1月に施行される改正育児介護休業法に関するQ&Aを公表

image197厚生労働省が来年1月に施行される改正育児介護休業法に関するQ&Aを公表しました。

そこで、今回は、特に大きな改正のある介護休業に関するもののうち、重要なものを取り上げていきたいと思います。

1-1 介護休業の通算取得日数を1年まで、分割5回までとすることは可能か。

(答)通算取得日数も分割回数も法を上回っているので可能である。

なお、例えば「介護休業期間通算 93 日、分割5回まで」も「介護休業期間通算 120 日、分割3回まで」もいずれも、「介護休業 93 日、分割3回」という法の基準を上回っているので可能である。

改正法により、介護休業について3回を上限として分割取得することが法定化されました。このQ&Aでは、分割の回数について、会社が3回を超える制度とすることも可能ということが示されました。

1-3 介護休業の取得について、介護休業開始日から1年以内で上限3回までという限定をつけることは可能か。※1 年以内であれば 365 日取得でも構わない場合。

(答)介護休業の分割取得は、通算 93 日について、具体的な期間の上限等なく3回までの分割取得を認める制度であるため、通算 93 日とならない場合、介護休業開始日から1年を超えたとしても2回目以降の取得は可能であることから、介護休業開始日から1年以内で上限3回までと限定をつけることは認められない。

1-4 改正法施行前に、通算 93 日の介護休業を取得しているが、取得回数は3回に満たない場合、改正法施行後、同一の対象家族について、新たに介護休業を取得することはできるか。

(答)通算 93 日という法定の上限日数を既に取得しているので、改正法施行後、同一の対象家族について新たに介護休業を取得することはできない。

すでに同一の対象家族について93日の介護休業を取得している労働者について、法改正により再度介護休業の取得を可能となるわけではないことを明らかにしたQ&Aです。逆に、改正法施行前に3回の介護休業を取得している場合も、同様です(Q&A1-5)。

1-6 改正法施行前に、介護休業1回(30 日)と介護勤務時間短縮等の措置63 日の合わせて 93 日制度を利用している場合、改正法施行後、介護休業を新たに取得できるか。

(答)改正法施行後、同一の対象家族について通算 63 日まで、残り2回を上限として分割して介護休業を取得することができる。

2-2 介護のための所定労働時間の短縮等の措置は、2回以上の利用が可能な措置としなければならないが、何回でも利用可能とした上で、1回に申出できる期間の上限(1回につき最大1年間まで等)を事業主が設定してもよいか。

(答)1回に申出できる期間については育児・介護休業法上規定はなく、制度利用開始日から3年間以上の期間、2回以上の利用が可能な制度となっていれば、1回に申出できる期間の上限を事業主が設定しても差し支えない。

2-3 介護のための所定労働時間の短縮等の措置は、連続する3年間以上の期間における措置を講じることとされているが、改正法施行前に既に介護のための所定労働時間短縮等の措置を利用した労働者については「、3年間以上の期間」の起算点はいつになるのか。

(答)介護のための所定労働時間の短縮等の措置については、改正法施行日前の労働者の利用状況に関わらず、利用開始日から連続する3年間以上の期間講じる必要がある。したがって「3年以上の期間」の起算点は、すでに利用実績があった場合でも、改正法施行日の平成 29 年1月1日以降初めて制度の利用を開始する日として労働者が申し出た日となる。

上述の1-6と比べてみると、介護休業は改正前後で通算するのに対して、選択的措置義務については、通算されないという取扱いになるようです。

関連リンク

育児・介護休業法について(厚労省HP)

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