無期転換ルールの特例措置①~高度専門職~


今日の記事、ざっくり言うと・・・

  • 今回は、有期特措法により設けられている無期転換ルールの特例のうち、「高度専門職」に関する内容を取り上げる
  • 適切な雇用管理に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主に雇用され、高収入で、かつ高度の専門的知識等を有し、その高度の専門的知識等を必要とし、5年を超える一定の期間内に完了するプロジェクトに従事する有期契約の高度専門職については、そのプロジェクトに従事している期間は、無期転換申込権が発生しない

※写真と記事内容は関係ありません。

平成25年4月に導入された「無期転換ルール」が来年4月から本格化するとみられるています。厚生労働省はYahooやGoogleなどのネット広告への掲載も検討しているとされており、今後、これまで以上に周知は進むと考えられます。

ところで、無期転換ルールについては、有期特措法により次の労働者について例外が設けられています。

  1. 専門的知識等を有する有期雇用労働者(以下「高度専門職」といいます。)
  2. 定年に達した後引き続いて雇用される有期雇用労働者(以下「継続雇用の高齢者」といいます。)

今回は、改めて、これらの「無期転換ルール」の特例のうち、高度専門職について取り上げたいと思います。

はじめに、年収要件があります。すなわち、事業主との間で締結された有期労働契約の契約期間に、その事業主から支払われると見込まれる賃金の額を、1年間当たりの賃金の額に換算した額が、1,075万円以上であることが必要です。

ここで、「支払われると見込まれる賃金の額」とは、契約期間中に支払われることが確実に見込まれる賃金の額をいいます。具体的には、個別の労働契約または就業規則等において、名称の如何にかかわらず、あらかじめ具体的な額をもって支払われることが約束され、支払われることが確実に見込まれる賃金は全て含まれる一方で、所定外労働に対する手当や労働者の勤務成績等に応じて支払われる賞与、
業務給等その支給額があらかじめ確定されていないものは含まれないものと解されます。ただし、賞与や業績給でもいわゆる最低保障額が定められ、その最低保障額については支払われることが確実に見込まれる場合には、その最低保障額は含まれるものと解されます。

次に、高度専門職の範囲については、次のいずれかにあてはまる方が該当します。

  1. 博士の学位を有する者
  2. 公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士または弁理士
  3. ITストラテジスト、システムアナリスト、アクチュアリーの資格試験に合格している者
  4. 特許発明の発明者、登録意匠の創作者、登録品種の育成者
  5. 大学卒で5年、短大・高専卒で6年、高卒で7年以上の実務経験を有する農林水産業・鉱工業・機械・電気・建築・土木の技術者、システムエンジニアまたはデザイナー
  6. システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコンサルタント
  7. 国等によって知識等が優れたものであると認定され、上記①から⑥までに掲げる者に準ずるものとして厚生労働省労働基準局長が認める者国、地方公共団体、一般社団法人または一般財団法人その他これらに準ずるものをいいます。

上記の要件を満たす高度専門職の労働者は、次の手続きをとることによって、高度の専門的知識等を必要とし、5年を超える一定の期間内に完了する業務(特定有期業務。以下「プロジェクト」といいます。)に従事する有期雇用労働者(高度専門職)については、そのプロジェクトに従事している期間は、無期転換申込権が発生しません。ただし、無期転換申込権が発生しない期間の上限は、10年です。

  1. 特例の対象労働者に関して、能力が有効に発揮されるような雇用管理に関する措置についての計画を作成
  2. 作成した計画を、本社・本店を管轄する都道府県労働局に提出本社・本店を管轄する労働基準監督署経由で提出することもできます。
  3. 都道府県労働局は、事業主から申請された計画が適切であれば、認定
  4. 認定を受けた事業主に雇用される特例の対象労働者(高度専門職と継続雇用の高齢者)について、無期転換ルールに関する特例が適用有期労働契約の締結・更新の際に、無期転換ルールに関する特例が適用されていること対象労働者に明示する必要があります。

無期転換ルールは、当初の労働契約からの通算契約期間が「5年」を超えた場合に、無期転換申込権が発生するものです。高度専門職に関する特例は、この「5年」が、認定を受けた計画におけるプロジェクトの「開始の日から完了の日までの”期間”」となり、その“期間”は無期転換申込権が発生しないことを定めるものです。

したがって、無期転換申込権が発生しないのは、最初の有期労働契約からの通算契約期間が、プロジェクトの開始の日から完了の日までの”期間”(年数・月数)を超えない場合です。例えば、 「6年」を要するプロジェクトに従事している間は「6年」を超えない限り、無期転換申込権は発生しないこととなります。

ただし、以下の場合には、その時点で通常の無期転換ルールが適用され、通算契約期間が5年を超えていれば、無期転換申込権が発生します。

  • プロジェクトに従事しなくなった場合
  • 年収要件(1,075万円)を満たさなくなった場合
  • 計画の認定が取り消された場合

参考リンク

労働契約法の改正について~有期労働契約の新しいルールができました~(厚生労働省HP)

MORI社会保険労務士・行政書士事務所(千葉県千葉市中央区)では、日々生じる従業員に関する問題やちょっとした労働法に関する疑問、他社事例について、気軽に電話やメールで相談できる「労務相談」業務の依頼を受託しています。もちろん無期転換ルールの特例に関するご相談、給与計算(年末調整)、労働・社会保険、就業規則、各種許認可業務等も対応します。

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