今日の記事、ざっくり言うと・・・

  • 平成30年度障害福祉サービス等報酬改定に向けて、その方向性が示された
  • 「就労継続支援に係る工賃・賃金の向上や就労移行、就労定着の促進に向けた報酬の見直し」については、就労移行支援及び就労継続支援のサービスの質の向上などの改定項目が示された
  • 「障害福祉サービス等の持続可能性の確保と効率的かつ効果的にサービスの提供を行うための報酬等の見直し」については、効率的かつ効果的にサービスの提供を行うための報酬等の見直しなどの改定項目が示された

写真と記事の内容は関係ありません。

平成30年度障害福祉サービス等報酬改定に向けて、検討チームは、平成29年5月から改正障害者総合支援法等において創設された新サービスや既存サービスの報酬等の在り方について、現状と論点を整理した上で検討を積み重ねてきたところですが、先日、その方向性が示されました。

ここでは、2つの論点について見ていくことにします。

まず、「就労継続支援に係る工賃・賃金の向上や就労移行、就労定着の促進に向けた報酬の見直し」についてみていくことにしましょう。

はじめに、この分野で示された改定項目は次の通りです。

  1. 就労移行支援及び就労継続支援のサービスの質の向上
    • 就労移行支援における一般就労移行後の定着実績に応じた基本報酬の設定
    • 就労継続支援A型における平均労働時間に応じた基本報酬の設定
    • 就労継続支援B型における平均工賃に応じた基本報酬の設定
    • その他サービスの質の向上に資する報酬の改定等
  2. 就労定着支援の報酬・基準の設定【新サービス】 等

このうち、「就労移行支援」については、就職後6か月以上定着した者の割合に応じた基本報酬にするとともに、一般就労への移行実績が過去2年間に無い場合は、現行よりも高い減算割合とするなど、成果を重視した報酬体系への転換が図る方向性が示されているわけです。

2で示された新サービスの報酬・基準の設定として、次のものが挙げられてます。

  1. サービス対象者:生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を利用して一般就労した障害者とする。
  2.  職員配置:就労定着支援員について、常勤換算方法による配置数とし、資格要件は定めないこととする。
  3. 基本報酬・加算:支援期間(最大3年間)の就労定着率に応じた1月当たりの包括報酬とするとともに、現行の就労移行支援における就労定着支援体制加算は廃止する。
  4. 指定要件・支援内容:過去3年において平均1人以上、障害者を一般就労に移行させている指定事業者(生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援)とする。 等

次に「障害福祉サービス等の持続可能性の確保と効率的かつ効果的にサービスの提供を行うための報酬等の見直し」について見ていきましょう。

ここでの改定に当たっての基本的な考え方は、「障害福祉サービス等を提供する事業所数が大幅に増加している一方、一部の事業所においてサービスの質の低下が見られることが課題となっていることや、制度の持続可能性を確保するため、効率的かつ効果的にサービスを提供できるよう、サービスの質を評価したメリハリのある報酬体系とする」とされています。

そして、主な改定項目としては、次のものが挙げられています。

  1. 効率的かつ効果的にサービスの提供を行うための報酬等の見直し
    • 短期入所における長期利用の適正化
    • 生活介護における開所時間減算の見直し
  2. 計画相談支援・障害児相談支援における質の高い事業者の適切な評価
  3. 横断的事項
    • 収支差率が低いサービスにおける基本報酬の見直し等
    • 食事提供体制加算の経過措置のあり方の検討
    • サービス提供職員欠如減算等の見直し
    • 送迎加算の見直し 等

このように、サービスの質を重視した報酬改定の方向が示されました。

参考リンク

平成30年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について(厚労省HP)

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