今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省が「同一労働同一賃金」の実現に向けた具体的方策について、「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告」がとりまとめられ、公表した
  • ①正規社員・非正規社員両方に対し、賃金決定のルールや基準を明確にし、②職務や能力等と、賃金を含めた待遇水準の関係性が明らかになり、待遇改善が可能になるようにすること、③そして、教育訓練機会を含めた「能力開発機会」の均等・均衡を促進することで一人ひとりの生産性向上を図ること、などを柱とすること、そのためのガイドラインの意義について述べている

厚生労働省が「同一労働同一賃金」の実現に向けた具体的方策について、「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告」がとりまとめられ、公表しました。本検討会では、正規・非正規間に不合理な格差があることを前提に、この点について、ガイドライン作成の意義と基本的考え方を中心に検討されました。

本報告書によれば、欧州諸国での実態をふまえて、「日本でも長期的にみれば、企業横断的・雇用形態横断的に賃金が決定される、あるいは比較検討ができるようなシステムに移行していくことが、同一労働同一賃金を結果として実現させるための一つの方向性という考え方もできるだろう。その考え方に沿って整理するならば、労働市場改革を進めていく必要性も大きいといえる。しかし、それを実現させていくためには、段階的に進めていく必要があるし、また長期的な方向性の在り方については、より慎重な検討も必要であろう。ただし、検討が必要と言って、何もせずに放置しておく期間が長くなること自体も問題である。そうだとすれば、

  1. 正規社員・非正規社員両方に対し、賃金決定のルールや基準を明確にし、
  2. 職務や能力等と、賃金を含めた待遇水準の関係性が明らかになり、待遇改善が可能になるようにすること。
  3. そして、教育訓練機会を含めた「能力開発機会」の均等・均衡を促進することで一人ひとりの生産性向上を図ること。

これらの柱が、日本が同一労働同一賃金に踏み込み、非正規社員の待遇改善を実現させるためのポイントであり、ガイドラインはそのための重要な手段であり第一歩として位置付けられる」とされ、そのための方向性について論じています。

なお、ガイドライン「案」は現時点では効力を発生させるものではなく、ガイドラインの制定・発効にあたっては、適切な検討プロセスを経ることが望ましいとされています。検討会においても、今後必要な法的見直しに向けた考え方の整理を行う予定としています。

参考リンク

(同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告厚生労働省HP)

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