今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • オリックスが社員の柔軟な働き方を一層支援する制度として、配偶者転勤に伴う「エリア変更制度」、「休職制度」等を導入した
  • カムバック再雇用制度は、中小企業でも導入しやすい制度といえる

 

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世界の労働基準監督署からVOL:010 柏労働基準監督署

オリックス株式会社が「社員の柔軟な働き方を一層支援することを目的」とした新たな制度を導入したことをHP上で発表しました。

今回、同社で導入されたのは、次の制度です。

  1. 配偶者転勤に伴う「エリア変更制度」、「休職制度」
  2. 「カムバック再雇用制度」
  3. 「転籍応募制度」

このうち1は、「地域限定型総合職および一般職の社員が、配偶者の転勤などにより現在の職場で働き続けることが困難な場合の選択肢を提供するため」(同社HPより。以下同じ。)に設けられた制度で、「休職制度」については、最大5年間認めるものとなっています。

地域限定型総合職は、近年注目を集めている、いわゆる限定正社員(多様な正社員)と呼ばれる新しいタイプの正社員の一つですが、同社が導入した制度は、従業員の事情で限定された地域外に引っ越しをする必要が生じた場合であっても、勤務継続を可能となるようにするもので、勤務地が限定されたことによるデメリットを緩和するものということができます。

また、このような事由で5年の休職を認める例も少ないのではないでしょうか。

その意味では先進的な取り組みということができますが、発表された資料からは、この休職期間中が有給か無給かが明らかではなく、無給の場合、兼業を認めるのかどうかなど同時に検討しなければならない事項もありそうです。

他方、「カムバック再雇用制度」は、中小企業でも導入を検討できる制度です。本制度は、「勤続3年以上の社員が、退職時の理由を問わず、再入社したい旨を応募できる制度」とされています。あくまで「応募できる」制度であることに留意してください。ただし、再雇用された場合には、「職種・等級は、退職時と同等以上を保証」するとされており、この点は特徴的といえるでしょう。

人口減少社会では、このような形で「元」社員が戻りやすい仕組みづくりを導入することも、検討の価値があると思います。

参考リンク

配偶者転勤による勤務地変更・休職などの人事制度を新設~新たな選択肢を提供し、社員の柔軟な働き方を支援~

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