今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚労省が新設した「パートタイム労働者活躍推進企業表彰」の第1回目の受賞企業が決定し、千葉県内からは、干葉信用金庫が奨励賞(雇用均等・児童家庭局長奨励賞)を受賞した
  • 千葉信用金庫では、パート職員についても、正職員と同様の取扱いを可能な限り取り入れ、パート職員に係る制度の見直しや制度の導入を図ってきた

DSC_0043厚生労働省では、平成27年度から「パートタイム労働者活躍推進企業表彰」を新設し、パータイム労働者の活躍推進に取り組んでいる企業を表彰しています。

そして、本表彰の第1回目の受賞企業が決定し、千葉県内からは、干葉信用金庫が奨励賞(雇用均等・児童家庭局長奨励賞)を受賞しました。ここでは、表彰された千葉信用金庫の取組みについて、見てみましょう。

千葉信用金庫では、2002年に他の信用金庫と合併したことを機に、正職員と同様の取扱いを可能な限り取り入れ、パート職員に係る制度の見直しや制度の導入を図ってきました。そのポイントは次のようなものです。

  1. パート職員に対しても年2回の業績考課と年1回の能力考課を実施。業績考課は、目標管理シートに掲げた目標に対する達成度合いと執務態度の総合考課点とし、結果を賞与に反映している。能力考課は、職務遂行にあたって発揮された能力を評価するもので、結果は、正職員転換の際の参考にしている。評価を待遇に反映させる制度とすることにより、パート職員の仕事に対する意欲向上につなげている。
  2. 毎年数名が登用試験に合格している。正職員登用後に役席に就いた例もあり、パート職員のキャリアアップが図られている。
  3. パート職員も正職員と同じ土俵で個人表彰の対象になる。上位入賞者には報奨金が支払われる。また、役員が直接、職員の労をねぎらう機会となっており、パート職員も入賞している。
  4. 職員面談では、所属長が職場の悩みに留まらず広く相談に応じることとしており、さらに、所属長には相談しにくい内容であっても人事部長に直接申告できる制度もあり、パート職員が安心して仕事に集中できる環境が整えられている。
  5. イントラ・パートナーという社内ネットワークを導入し、規程や通達を誰でも自由に検索・閲覧できるようにし、パート職員も正職員同様に最新の情報を共有できるようにしている。
  6. パート職員も育児休業、介護休業を取得している。

一般的に、正社員(正職員)とパートタイム労働者(パート職員)では、正社員が優遇された労働条件であることがほとんどですが、これらの取組みを見ると、パートタイム労働者を戦力化するためには、むしろ不要と考えられる相違点を解消していることがわかります。

今回紹介した事例では、業績考課や能力考課、個人表彰、相談窓口、社内規程・通達の周知、育児・介護休業などについて、正社員とパートタイム労働者の処遇格差を解消しています。

このような不要な格差の解消は、パートタイム労働者に限らず、女性、外国人などを今以上に活躍できるような職場づくりを検討する上で、重要な視点となるように思われます。

関連リンク

千葉信用金庫がパート雇用管理で表彰(県内で初受賞) ~平成27年度「パートタイム労働者活躍推進企業表彰」~(千葉労働局HP)

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