今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 介護休業の分割取得(3回まで、計93日)などを含む改正育児介護休業法が来年1月に施行
  • 妊娠、 出産、 育児休業・介護休業等の取得等を理由とする上司・同僚等による就業環境を害する行為を防止するため、事業主 に雇用管理上必要な措置を義務づけ

image190先日、雇用保険料率を引き下げる雇用保険法の改正案が成立したことをお伝えしました。今回は、同時に提出・可決されたその他の法令の内容のうち、会社の実務に関連するものについて、みていきましょう。

まず、育児・介護休業に関して、育児・介護休業法と雇用保険法について改正が行われました。その内容としては、第一に多様な家族形態・雇用形態に対応するための次の改正が行われました(平成29年1月1日施行)。

  1. 育児休業の対象となる子の範囲の拡大(特別養子縁組の監護期間にある子等)
  2. 育児休業の申出ができる有期契約労働者の要件(1歳までの継続雇用要件等)の緩和等

次に、介護離職の防止のために、次の改正が行われました。なお4.は今年(平成28年)8月1日に施行、その他は、平成29年1月1日に施行とされています。

  1. 介護休業の分割取得(3回まで、計93日)
  2. 所定外労働の免除制度の創設、
  3. 介護休暇の半日単 位取得→子の看護休暇も合わせて改正
  4. 介護休業給付の給付率の引上げ〔賃金の40%→67%〕

なお、介護休業に関しては、対象家族の範囲の拡大も検討されています。

現在の介護休業等の対象家族には、配偶者、父母、配偶者の父母に加えて、「同居し、かつ、扶養している」祖父母、兄弟姉妹及び孫というのが含まれていますが、労政審の建議では、祖父母、兄弟姉妹及び孫について、「同居し、かつ、扶養」という要件を外すという方向が示されており、この点の政省令の改正が行われる見込みです。

最後に、男女雇用機会均等法、育児介護休業法に関連する事項として、妊娠、 出産、 育児休業・介護休業等の取得等を理由とする上司・同僚等による就業環境を害する行為を防止するため、事業主 に雇用管理上必要な措置を義務づけられることになりました(平成29年1月1日施行)

関連リンク

雇用保険法等の一部を改正する法律案(概要)(厚労省HP、PDF)

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