今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 小売業、社会福祉施設、飲食業、新聞販売業で労災事故が増加傾向にある
  • これらの業種は、比較的小規模な事業所であるケースが多いが、特に多い災害については、注意が必要

image081厚生労働省が第三次産業、中でも小売業、社会福祉施設、飲食業、新聞販売業における労働災害発生状況の概要を公表しました。

それぞれ、近年労働災害が増加している業種であり、今後監督指導が厳しく行われる可能性があります。では、それぞれについて、ポイントをみていきましょう。

1.小売業

小売業の労働災害は増加傾向にあり、平成26 年は13,365件で前年に比べ4%増加しました。このうち、転倒災害は平成26年では 4,501件で全体の34%を占め、前年同期 に比べ5%増加しています。

小売業における転倒災害の特徴は9~11時台に多く発生しており、50歳以上の災害が約7割を占め、かつ年々増加傾向にある点です。小売ではあまり大きな事故は起こらないとよく言われますが、休業見込が1月以上の災害が約6割を占めています。

2.社会福祉施設

社会福祉施設の労働災害は増加傾向にあり、平成26年は7,224件発生し、前年に比べ 8%増加しました。このうち、転倒災害は平成26年は2,259 件で全体の31%を占め、前年同期に比べ 8%増加しています。

社会福祉施設における転倒災害の特徴は9~11時台に多く発生していること、50歳以上の災害が約7割を占め、かつ年々増加傾向にあることなどです。また、休業見込期間が1月以上のものが約6割を占めています。

3.飲食業

飲食店の労働災害は増加傾向にあり、 平成26年は4,477件で前年同期に比べ 1%増加しました。このうち、転倒災害は平成26年では 1,259件で全体の28%を占め、前年と同水準となっています。

飲食店における転倒災害の特徴は、9~11時台に多く発生していること、50歳以上の災害が約6割を占め、かつ年々増加傾向にあることなどです。また、休業見込が1月以上の災害が約6割を占めています。

4.新聞販売業

新聞販売業における平成26年の労働災害発生状況は、休業4日以上の死傷災害が平成20年 から25年までの5年間では減少傾向にあったが、平成26年では2,483件(対前年比6%増) と急増しました。

休業4日以上の被災者のうち約7割が経験期間3年以上の労働者であり、なかでも50歳以上 で経験期間3年以上の労働者が全体の半数以上を占めました。

■関連リンク

「第三次産業における労働災害発生状況の概要(平成26年)」(厚生労働省HP)

MORI社会保険労務士・行政書士事務所では、日々生じる従業員に関する問題やちょっとした労働法に関する疑問、他社事例について、気軽に電話やメールで相談できる「労務相談」業務の依頼を受託しています。もちろん社会保険、給与計算(年末調整)、就業規則、各種許認可業務等も対応します。ぜひお問い合わせください。

toiawase