今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 平成26年度の賃金は男女計で299,600 円(前年比1.3%増)で前年を上回った。
  • 男女間賃金格差は、男性を100とすると女性の賃金は72.2であり、過去最少となった。

image024厚生労働省が平成26 年「賃金構造基本統計調査」の結果を取りまとめ公表しました。

「賃金構造基本統計調査」は、全国の主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を、雇用形態、就業形 態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数および経験年数別などに明らかにすることを目的として、毎年7月に実施されているものです。

本調査は、抽出された10 人以上の常用労働者を雇用する民間の 65,616 事業所のうち、有効回答を得た50,098 事業所を対象に集計しています。以下では、厚生労働省が公表した資料を基に、ポイントを紹介します。

1.一般労働者(短時間労働者以外の労働者)の賃金(月額)

  • 男女計の賃金は299,600 円(前年比1.3%増)、男性では329,600 円(同1.1%増)、女性では238,000 円(同2.3%増)でそれぞれ前年を上回っている。
  • 男性の賃金を100 とすると、女性の賃金は72.2 とな っており、男女間賃金格差は比較可能な昭和51 年の調査以来、過去最小となっている。
  • 企業規模別にみると、男性では、大企業(常用労働者1,000 人以上) が381,900 円(前年比0.9% 増)、中企業(常用労働者100~999 人) が312,100 円(同0.9%増)、小企業(常用労働者10~99 人) が285,900 円(同0.1%増)
  • 女性では、大企業が265,200 円(同2.2%増)、中企業が233,800 円 (同1.8%増)、小企業が214,600 円(同1.3%増)となっている。
  • 雇用形態別にみると、男性では、正社員・正職員が343,200 円(前年比0.8%増)、正社員・正職 員以外が 222,200 円(同 2.4%増)
  • 女性では、正社員・正職員が 256,600 円(同 1.9%増)、正社 員・正職員以外が 179,200 円(同 3.0%増)となっている。
  • 正社員・正職員の賃金を 100 とすると、 正社員・正職員以外の賃金は男性で65(前年64)、女性で70(同69)となっている。

2 短時間労働者の賃金(1時間当たり)

男性は1,120 円(前年比2.3%増)で、女性は1,012 円(同0.5%増)となっています。

 

今年度は、紹介したすべての層で賃金が昨年度と比べプラスとなりました。特に一般労働者では、女性の上昇率が男性のそれを上回っており、すでに述べたように、男女間の賃金格差が過去最少になりました。

短時間労働者では、男性が前年度比で2.3%増となっていますが、年齢別に見ると60~64歳で1,269円と最も高くなっていることから、25年に改正された高年齢者雇用安定法をきっかけに、高年齢者の賃金制度の見直しが進んでいるように思われます。

■関連リンク

平成26年賃金構造基本統計調査 結果の概況(厚生労働省HP)

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