今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省が昨年9月30日に施行された改正労働者派遣法に関するQ&Aが公表した
  • 内容は期間制限関係、雇用安定措置関係、キャリアアップ措置関係など

 

image180昨年9月30日に施行された改正労働者派遣法に関するQ&Aが掲載されました。今回は、その中から特に重要と思われるものについてみることにしましょう。

期間制限関係

Q2: 事業所単位の期間制限を延長するため、過半数労働組合等に意見聴取する場合、抵触日の1か月前の日までに行うこととしているが、いつから実施できるのか。

A2: 意見聴取は、意見聴取期間(労働者派遣の役務の提供が開始された日から事業所単位の抵触日の1か月前まで)内であればいつでも可能であるが、事業所単位の期間制限が常用代替防止を図る趣旨であることを踏まえれば、労働者派遣の役務の提供の受入開始に接近した時点よりも、常用代替防止が生じているかを判断するために適切な時期に行われることが望ましい。

雇用安定措置関係

Q4: 雇用安定措置は施行日(平成27年9月30日)より前に締結された労働者派遣契約に基づき派遣される派遣労働者に対しても適用されるのか。

A4: 施行日より前に締結された労働者派遣契約に基づき就業している派遣労働者については、労働者派遣法第30条第1項の努力義務の対象にはなり得る。具体的には、労働者派遣法施行規則第25条第3項及び4項の規定により、改正法施行前から派遣元事業主と通算して1年以上の労働契約を締結していた派遣労働者及び派遣労働者として雇用しようとする者(登録中の者を含む)については、施行日より前に締結された労働者派遣契約に基づき就業している場合であっても、雇用安定措置の努力義務の対象となる。

一方、施行日より前に締結された労働者派遣契約に基づき就業している間は、雇用安定措置が義務となることはない。

キャリアアップ措置関係

Q7: キャリアアップ措置は施行日(平成27年9月30日)より前に締結された労働者派遣契約に基づき派遣される派遣労働者に対しても適用されるのか。

A7: キャリアアップ措置は、派遣元事業主と労働契約を締結しているすべての派遣労働者に適用され、労働者派遣契約が施行日前に締結されたか施行日後に締結されたかで差はない。

Q9: キャリアアップ措置について、労働者派遣事業関係業務取扱要領において、「派遣労働者一人あたり、少なくとも最初の3年間は毎年1回以上の機会の提供が必要」とあるが、「最初」とは、雇用開始時点か。それとも改正法が施行された年(平成27年)のことか。

A9: 雇用開始時点である。

Q11: キャリアアップ措置について、通信教育やeラーニング等の正確な時間管理ができない場合の取扱いはどうすればよいか。

A11: キャリアアップ措置は有給かつ無償で行うことが必要であることから、派遣元事業主は時間を管理する必要がある。 通信教育やeラーニング等により教育訓練を実施する場合は、電子機器のアクセス時間等により訓練時間を管理する方法のほか、これら教育訓練に要する標準的な所要時間をもって実施時間とすることとしても差し支えない。

その他

Q13: 労働者派遣法施行規則第22条第4号の紛争防止措置について、派遣元事業主が職業紹介事業の許可を取得していない場合や、職業紹介事業の許可を得ていても紹介予定派遣を行う予定がない場合、どのような内容を記載することが考えられるか。

A13: 労働者派遣法施行則第22条、「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の2(2)ロ及び「派遣先が講ずるべき措置に関する指針」第2の6(1)ロにおいて、派遣先が労働者派遣の終了後に当該派遣労働者を雇用する場合は、事前に派遣元事業主にその意思を示すことを例示しているところであるので、参照されたい。

このほかにも参考になるものがありますので、ぜひ一度下記リンクから前文を一読しておくことをお勧めします。

参考リンク

平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A(厚生労働所HP)

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