今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省が、平成29年4月1日以降の失業等給付の雇⽤保険料率を労働者負担・事業主負担 ともに1/1,000ずつ引き下げるための法律案を、国会に提出
  • 雇用保険の基本手当や教育訓練給付の支給の対象となる期間を延長する手続きについて、ハローワークへの申請期間を緩和する制度改正を予定

厚生労働省が、平成29年4月1日以降の失業等給付の雇⽤保険料率を労働者負担・事業主負担 ともに1/1,000ずつ引き下げるための法律案を、国会に提出しました。法律案の内容が修正されずに国会で成⽴した場合、平成29年4月1日から 平成30年3月31⽇までの雇⽤保険料率は下表のとおりとなります。

ところで、この法律案が国会に提出された一方で、雇用保険の基本手当に関する改正省令案のパブリックコメントの募集が始まりました。

雇用保険法の基本手当の支給は、原則離職の日の翌日から1年以内の失業している日について支給することとされていますが、妊娠、出産等の理由により引き続き30 日以上職業に就くことができない場合は、最長、離職の日の翌日から4年以内の失業している日について、基本手当を支給することができることとなっています。

そして、当該延長を行うに当たっては、妊娠、出産等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができないこととなった日の翌日から1ヶ月以内に申し出ることが必要とされています。

また、教育訓練給付については、原則、当該給付を受けようとする者が一般被保険者等でなくなった日から1年以内に開始した教育訓練について支給することとされていますが、妊娠、出産等の理由により引き続き30 日以上教育訓練を開始することができない場合は、最長、一般被保険者等でなくなった日から4年以内開始した教育訓練について、教育訓練給付金を支給することができることとなっています。

そして、当該延長を行うに当たっては、妊娠、出産等の理由により引き続き30日以上教育訓練を開始することができないこととなった日の翌日から1ヶ月以内に申し出ることが必要とされています。

しかし、妊娠、出産等を経た後に働き続ける者を支援することが求められていることを踏まえ、基本手当の支給が可能な期間の延長及び教育訓練給付の支給が可能な期間の延長について、

  • 基本手当の支給に関しては、受給資格に係る離職の日の翌日から起算して4年を経過する日までの間(加算される期間が4年に満たない場合は当該期間の最後の日までの間)
  • 教育訓練給付金の支給に関しては、一般被保険者等でなくなった日から起算して4年を経過する日までの間(加算される期間が4年に満たない場合は当該期間の最後の日までの間)

まで、申出を認めることとするのが改正案の内容です。

このように、雇用保険に関して4月1日に法令から政省令も含めて改正が予定されています。特に雇用保険料率については、給与計算にも直接影響があるため、今後の動向に注意が必要でしょう。

参考リンク

雇用保険の基本手当や教育訓練給付の支給の対象となる期間を延長する手続きについて、ハローワークへの申請期間を緩和する制度改正を予定しています(厚生労働省HP)

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