今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 従前より実施していた制度を拡充し、正規雇用転換した労働者を「中小企業退職金共済制度(中退共)」に加入させた場合、一人当たり10万円を加算する制度を開始
  • 若者を正社員採用をした企業への助成について国が認定する「ユースエール認定企業」を新たに対象に加え、一人当たり30万円を支給する制度を開始

 

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東京都が平成28年度の非正規雇用対策を公表しました。

今年度は、非正規労働者の正社員化への動きを加速させるため、助成金の制度を拡充するとしてます。そこで、今回は、その内容についてみていきましょう。

非正規労働者を正社員転換した企業への助成

昨年に引き続き、事業主が非正規労働者を正規雇用転換した場合に国と連携し国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)に上乗せして一人当たり最大50万円を助成する制度について、今年度の拡充では、正規雇用転換した労働者を「中小企業退職金共済制度(中退共)」に加入させた場合、一人当たり10万円を加算する制度を開始します。

ところで、中退共とは、中小企業者の相互共済と国の援助で退職金制度を確立すること等を目的とする制度で、事業主が中退共本部と退職金共済契約を結び、毎月の掛金を金融機関に納付します。従業員が退職したときは、その従業員に中退共本部から退職金が直接支払われます。

若者を正社員採用した企業への助成

昨年から、国と連携し、「若者応援宣言企業」が対象となる若者を正社員として採用し、6か月職場定着した場合に、一人当たり15万円を支給しています。

今年度の拡充のポイントは、雇用環境が整備された企業への若者の就職を支援するため、若者雇用促進法に基づき国が認定する「ユースエール認定企業」を新たに対象に加え、一人当たり30万円を支給します。

本助成金は、都内の「若者応援宣言企業」及び「ユースエール認定企業」で、東京労働局管内のハローワークの紹介により、対象となる若者を正社員として採用した事業主に支給されます。

ここで、対象となる若者とは、次のいずれかの求人で正社員として採用され、都内事業所へ配属された35歳未満の者(新卒者又は採用日から遡って過去1年以内に正社員であった者を除く)です。

  1.  既卒者の応募を可とし、卒業後概ね3年以上の者も応募対象としている大卒等求人・高卒求人
  2.  雇用対策法施行規則第1条の3第1項第3号の二に限定(若者応援宣言企業又はユースエール認定企業のため、35歳未満の若者を対象)しており、かつ、職務経験を条件としていない一般求人

なお、国が実施するトライアル雇用を活用して採用した場合は対象外となります。

28年度から拡充する内容については、いずれも平成28年4月18日から受付が開始されます。

参考リンク

正社員化に取り組む企業への助成金を拡充します!(東京都HP)

MORI社会保険労務士・行政書士事務所(千葉県千葉市)では、日々生じる従業員に関する問題やちょっとした労働法に関する疑問、他社事例について、気軽に電話やメールで相談できる「労務相談」業務の依頼を受託しています。もちろん助成金に関するご相談、給与計算(年末調整)、労働・社会保険、就業規則、各種許認可業務等も対応します。

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