• 厚生労働省が、平成 29 年「派遣労働者実態調査」の結果を取りまとめ、公表
  • 派遣労働者が就業している事業所は全体の 12.7%でした。派遣労働者を就業させる理由としては、「欠員補充等必要な人員を迅速に確保できるため」が 73.1%と圧倒的に高い割合

厚生労働省が、平成 29 年「派遣労働者実態調査」の結果を取りまとめ、公表しました。「派遣労働者実態調査」は、派遣労働者の就業実態及び事業所における派遣労働者の受け入れ状況等を把握することを目的として平成 29 年 10 月1日現在の状況について調査を実施したものです。前回は平成 24 年に実施されました。

まず、派遣労働者が就業している事業所は全体の 12.7%でした。派遣労働者を就業させる理由としては、「欠員補充等必要な人員を迅速に確保できるため」が 73.1%と圧倒的に高い割合になっています。続いて、「一時的・季節的な業務量の変動に対処するため」35.8%で、「軽作業、補助的業務等を行うため」24.5%、「専門性を活かした人材を活用するため」23.7%となっています。

今回の調査では、平成 27 年労働者派遣法の施行以降に締結された労働者派遣契約について、その派遣可能期間を延長するため、過半数労働組合等からの意見聴取をしたかどうかについても調査が行われました。

派遣先の同一の事業所に対し派遣できる期間(派遣可能期間)は、原則、3年が限度となります。3年までの間に派遣労働者が交替したり、他の労働者派遣契約に基づく労働者派遣を始めた場合でも、派遣可能期間の起算日は変わりません(したがって、派遣可能期間の途中から開始した労働者派遣の期間は、原則、その派遣可能期間の終了までとなります。)。

そして、派遣先は、事業所単位の期間制限による3年の派遣可能期間を延長しようとする場合には、その事業所の過半数労働組合等からの意見を聴く必要があります。意見を聴いた結果、過半数労働組合等から異議があった場合には、派遣先は対応方針等を説明する義務があります。これは、労使自治の考え方に基づき、派遣労働者の受入れについて派遣先事業所内で実質的な話合いができる仕組みを構築することが目的であり、派遣先は、意見聴取や対応方針等の説明を誠実に行うよう努めなければなりません。

さて、この意見聴取を行ったどうかですが、結果としては、「意見聴取をした」事業所の割合は 21.6%、「意見聴取をしていない」事業所の割合は 60.9%となりました。本調査は改正法施行後2年経過時点でのものですので、まだ意見聴取が行われていないのだと思われます。

参考リンク

平成29年派遣労働者実態調査の概況(厚生労働省HP)

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