今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省が荷主向けの啓発用リーフレットを作成
  • 荷主がトラック事業者に対して、労働時間等のルールが守れなくなる行為を強要すると、荷主勧告制度の対象となり、荷主名が公表される場合がある

image206厚生労働省が荷主向けの啓発用リーフレットを作成し、公開しました。

本リーフレットでは、トラックドライバーに適用されるいわゆる「改善基準告示」の要点と、「荷主勧告制度」の概要がまとめられています。

改善基準とは、トラックドライバーなどの自動車運転の業務に従事する労働者に適用されるもので、労基法にはない「拘束時間(始業から終業までの時間)」を1日原則13時間、最大16時間(15時間超えは1週間2回以内)、1か月293時間以内とすることなどが規定されています。

また、荷主がトラック事業者に対して、労働時間等のルールが守れなくなる行為を強要すると、荷主勧告制度の対象となり、荷主名が公表される場合があるとされています。リーフレットでは、その具体的な例として、次の4つを挙げています。

  • 非合理な到着時間の設定
  • 手待ち時間の恒常的な発生
  • やむを得ない遅延に対するペナルティの設定
  • 積込み前に貨物量を増やすような急な依頼

荷主勧告制度は、高年齢者雇用安定法や男女雇用機会均等法にもある、特定の法違反事業者の企業名を公表する制度で、近年の行政処分でもよく用いられる傾向にある制度です。インターネットが発達した現代では、こういった公表制度が多方面に影響を与える恐れがありますので、荷主となる事業主は気を払うべきでしょう。

参考リンク

荷主の皆様へ ご存知ですか?トラックドライバーの労働時間のルールを(厚生労働省HP,PDF)

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