今回の記事、ざっくり言うと・・・
- 千葉労働局長が、違法な長時間労働を行う企業に対し是正指導を行ったことを実名で公表
- 厚生労働省では、平成 27 年5月から、複数の事業場で違法な長時間労働を行う企業について、経営トップに対し都道府県労働局長が是正指導をした上で、その旨を公表するとしており、今回は全国初の公表となった
厚生労働省では、平成 27 年5月から、複数の事業場で違法な長時間労働を行う企業について、経営トップに対し都道府県労働局長が是正指導をした上で、その旨を公表するとしているところ、今月、千葉労働局長が、以下の企業に対し是正指導をしたことが公表されました。
今回公表されたケースでは、最も長いケースで、約197時間の時間外・休日労働が認められたとされています。
今回実施された指導内容は、次のとおりです。
- 平成28年5月19日、千葉労働局長から、A社代表者に対し、違法な長時間労働について、是正勧告書を交付
- 併せて、具体的な長時間労働削減方策を樹立し、全社的に是正するよう指導票を交付
A社は、長時間労働の是正に向けて真摯に取り組まなければならないことを認識した上で、代表者自らをリーダーとするプロジェクト委員会を立ち上げ、労働時間の早期削減のための具体的かつ実現可能な対策を検討するとされています。
本記事では「A社」としましたが、実際の報道資料では実名が公表されています。役所のHPは検索結果で上位に表示されることが多いため、求職者がネットで検索した際にこのようなページを見ることもあり得ます。そうすると、求人活動に支障が生じることも考えられます。
また、A社は後日是正報告書の提出が求められていると思われますが、その内容については、やはり監督官によるものよりも厳しいチェックを受けることになるでしょう。
今回の事件は、長時間労働に対する「局長」指導で企業名が公表された初めてのケースとなりました。今後もこのような指導は続くものと思われます。まずは自社の時間外労働の状況について把握できるよう体制の整備を図るようにしましょう。
MORI社会保険労務士・行政書士事務所(千葉県千葉市)では、日々生じる従業員に関する問題やちょっとした労働法に関する疑問、他社事例について、気軽に電話やメールで相談できる「労務相談」業務の依頼を受託しています。もちろん残業時間削減などの働き方の見直しに関するご相談、給与計算(年末調整)、労働・社会保険、就業規則、各種許認可業務等も対応します。