今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 妊娠等を理由とする不利益取扱いを受けた人755名のうち、「妊娠・出産」自体を原因と捉えている人が45.9%、続いて、「つわり、切迫流産などで仕事ができない、労働能率が低下」が26.0%
  • 不利益取扱い行為をした者で最も多かったのが「直属上司(男性)」で19.1%、続いて「直属よりも上位 の上司(男性)」で15.2%、「直属上司(女性)」で11.1%、「同僚・部下(女性)」で9.5%

image058厚生労働省の労働政策審議会雇用均等分科会で、「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する調査の概要」が公表されました。すでに報道でも大きく取り上げていますが、今日はこれを取り上げましょう。

本調査によれば、妊娠等を理由とする不利益取扱いを受けた人755名のうち、「妊娠・出産」自体を原因と捉えている人が45.9%に上りました。続いて、「つわり、切迫流産などで仕事ができない、労働能率が低下」が26.0%、「育児休業」が17.3%、「産前・ 産後休業」が16.0%と続いています。

このように、いわゆるマタハラを受けたと考えている女性の半数近くが、「妊娠・出産」そのものが原因だったと考えているようです。

次に、妊娠等を理由とする不利益取扱い行為をした者で最も多かったのが「直属上司(男性)」で19.1%、続いて「直属よりも上位 の上司(男性)」で15.2%、「直属上司(女性)」で11.1%、「同僚・部下(女性)」で9.5%となっています。

マタハラの加害者というと、一般的には男性上司というイメージであり、本調査の結果もそれを裏付けているといえますが、その一方で、少なくない女性の直属上司、同僚・部下がマタハラの加害者と認識されているという意外な実態もあるようです。特に、同僚・部下に限っては男性よりも女性の方が加害者になっていることが多いという結果となっています。

受けた妊娠等を理由とする不利益取扱いの内容としては、「『迷惑』『辞めたら?』等、権利を取得しづらくする発言」が47.3%と最も多く、「解雇」「雇い止め」もそれぞれ約 2割程度あるという結果でした。

参考リンク

妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する調査の概要(厚生労働省HP、PDF)

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