今日の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省が、毎月勤労統計調査平成 28 年分結果速報が公表
  • 現金給与総額の前年比は、0.5%増
  • 総実労働時間の前年比は、0.6%減
  • 所定外労働時間の前年比は、1.6%減

厚生労働省が、毎月勤労統計調査平成 28 年分結果速報を今般とりまとめ、公表しました。今回の調査結果のポイントは次の通りです。

では、まず賃金(一人平均)についてみてみましょう。

  • 現金給与総額の前年比は、0.5%増。うち一般労働者は0.8%増、パートタイム労働者は0.1%減
  • 所定内給与の前年比は、0.2%増。うち一般労働者は0.6%増、パートタイム労働者は0.1%減
  • 所定外給与の前年比は、0.6%減。うち一般労働者は0.3%減、パートタイム労働者は0.7%減
  • 所定内給与と所定外給与を合わせたきまって支給する給与(定期給与)の前年比は 0.2%増。うち一般労働者は0.5%増、パートタイム労働者は0.1%減
  • 特別に支払われた給与の前年比は、2.0%増
  • 実質賃金指数(現金給与総額)の前年比は、0.7%増(消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は、前年比0.2%低下)

このように、一般労働者の給与が、所定外給与を除くと増加する一方、パートタイム労働者が減少しています。最低賃金が大幅な引き上げが続く中、必ずしもパートタイム労働者の給与増に繋がっていないようです。また、「特別に支払われた給与」の増加が他の給与の増加を上回っているのは、月例給の引上げに慎重な企業の姿勢を示唆しているといえるでしょう。

つぎに、労働時間(一人平均)についてみてみましょう。

  • 総実労働時間の前年比は、0.6%減
  • 所定内労働時間の前年比は、0.4%減。出勤日数の前年差は、0.1日 減。
  • 所定外労働時間の前年比は、1.6%減
  • 製造業の所定外労働時間の前年比は、1.8%減
  • 年間総実労働時間(年平均の月間総実労働時間を 12 倍して年換算したもの)は、 1,724 時間

近年の長時間労働を抑制しようとする企業の動きが現れる結果となりました。特に所定外労働時間の前年比は他と比べると大きく減少しています。

最後に雇用についてみていきましょう。

  • 常用雇用の前年比は、2.1%増
  • 就業形態別に前年比をみると、一般労働者が1.8%増、パートタイム労働者が 2.9%増

パートタイム労働者の比率は30.7%となり、引き続き増加傾向にあります。常用雇用者数も増加傾向にあるため、新たに就業を始めた人がパートタイム労働者として働くケースが多いようです。

参考リンク

毎月勤労統計調査 平成28年分結果速報(厚生労働省HP)

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