• 平成 30 年4月に国民健康保険制度の見直しが行われる
  • 平成30年度からは公費拡充が行われるほか、都道府県と市町村がともに国民健康保険の保険者
    となる
  • 平成30年度から、同一都道府県内で他の市町村に引っ越した場合でも、引っ越し前と同じ世帯であることが認められるときは、高額療養費の上限額支払い回数のカウントが通算される

世界の年金事務所からvol004:中央年金事務所

持続可能な社会保障制度の確立を図るため、平成 30 年4月より、国民健康保険制度の見直しが行われます。

国民健康保険制度は、日本の国民皆保険の基盤となる仕組ですが、「年齢構成が高く医療費水準が高い」「所得水準が低く保険料の負担が重い」「財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者が多く、財政赤字の保険者も多く存在する」という構造的な課題を抱えていました。

そこで、平成30年度からは公費拡充が行われるほか、都道府県と市町村がともに国民健康保険の保険者となり、それぞれの役割を担うことになります。

そのため、都道府県も国民健康保険の保険者となり新しい被保険者証等には、居住地の都道府県名が表記されるようになります。

また、都道府県内で保険料負担を公平に支え合うため、都道府県が市町村ごとの医療費水準や所得準に応じた国保事業費納付金 (保険料負担)の額を決定し、保険給付に必要な費用を全額、保険給付費等交付金として市町村に対して支払います。これにより、市町村の財政は従来と比べて大きく安定します。

このほかにも、都道府県は、市町村ごとの標準保険料率を提示 (標準的な住民負担の見える化)し、市町村間で比較できるようになります。

さらに、市町村が行う事務の広域化を推進することにより、平成30年度から、同一都道府県内で他の市町村に引っ越した場合でも、引っ越し前と同じ世帯であることが認められるときは、高額療養費の上限額支払い回数のカウントが通算され、 経済的な負担が軽減されます。

一般的に、国民健康保険は保険料負担が重いわりに給付が見劣りすると言われますが、国民皆保険の最後の砦としてその機能は非常に重要です。今回の改正で、より安定的な制度となることを期待しましょう。

参考リンク

国民健康保険制度における改革について(厚生労働省HP)

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