image151東京都では、毎年従業員が10 人~300 人未満の都内中小企業のみ対象として賃金についての調査を実施しています。

これは、企業や労働組合等が賃金制度を検討する場合、同一業種や同一規模の企業の賃金水準等を参考にすることが多いのですが、企業数の大半を占める中小企業については、関連する各種統計資料の情報が必ずしも十分とはいえない状況を受けて実施されているものです。

ここでは、本調査のうち、退職金に関する結果について、紹介しましょう。

まず、退職金制度の有無について、「退職金制度あり」とする企業は、回答企業の 78.9%でした。その支払い形態は、退職退職金制度がある企業を 100%とすると、退職一時金のみを採用している企業は70.5%、退職一時金制度と退職年金制度を併用している企業が24.3%、退職年金制度のみを採用している企業が5.2%でした。

このように8割に近い割合の企業で退職金制度が存在し、支払形態としては、そのうちの7割が一時金を採用していることが明わかります。

また、退職一時金の支払準備形態としては、社内準備が68.4%と最も多く、次に中小企業退職金共済制度が45.2%、退職金保険が9.2%でした(なお、複数回答のため100%を超えてます。)。そして、退職一時金の算出方法は、退職金算定基礎額×支給率とする企業が最も多く48.0%、続いて勤続年数に応じた一定額とする企業が19.3%、ポイント制(退職金ポイント×ポイント単価)とする企業が18.7%でした。

最後に、モデル退職金をみると、定年時の支給金額は、高校卒が12,191 千円、高専・短大卒が12,345 千円、大学卒が13,839 千円であり、前回平成24 年調査と比較していずれも増加しました。

最初に述べたように、賃金・退職金の検討にあたっては、いわゆる世間相場を一度は参考にするものです。特に中小企業にとっては、本調査は参考になるものです。

■関連リンク

平成26年「中小企業の賃金・退職金事情」調査結果について(東京都HP)

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