保育所に子どもを入所させる予定だった従業員が、市区町村等から当該保育所への登園自粛の要請を受けたため、当面子どもを保育所に預けないこととなったとして育児休業中の従業員から相談を受けた場合、育児休業は延長することができるのでしょうか。

この点について、新型コロナウイルスに関するQ&Aでは、子どもが1歳までの間の場合について、つぎのような回答が示されています。

現在育児休業中の労働者から申出があった場合、事由を問わず育児休業の終了予定日の繰下げ変更(最長1歳まで(※1))を認める必要があります(※2、3)。なお、繰下げ変更後の休業期間についても育児休業給付金は支払われます。

また、育児休業から一度復帰している方から再度の休業の申出があった場合も、休業(最長1歳まで(※1))を認める必要があります。なお、再度の休業期間についても育児休業給付金は支払われます。

(※1)両親がともに育児休業をする場合、一定の要件を満たせば最長1歳2か月まで(パパ・ママ育休プラス)

(※2)1歳から1歳6か月までの休業、1歳6か月から2歳までの休業それぞれについても同様に繰り下げ変更を認める必要。

(※3)繰下げ変更の申出は1か月前となっているが、申出が直前になった場合でも、繰下げ変更を認めることは可能。

では、1歳になるタイミングではどうでしょうか。

子どもが1歳…になるときに、引き続き育児休業をしたい旨労働者から申出があった場合、育児休業(1歳からの休業は最長1歳6か月まで…)を認める必要があります。なお、引き続き休業した期間についても育児休業給付金は支払われます。

このほか、労使の話し合いにより、例えば子どもが2歳以上の場合などについても独自に休業を認めることは差し支えありません。なお、こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。

1歳6か月までの育児休業については、子が1歳に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳に達する日の翌日から1歳6か月に達する日までの期間について、育児休業をすることができることとされています。

  1. 子が1歳に達する日において、労働者本人又は配偶者が育児休業をしている場合
  2. 保育所に入所できない等、1歳を超えても休業が特に必要と認められる場合

このうち保育所に入所ができない場合とは、「保育の利用を希望し、申込みを行っているが、当該子が一歳に達する日後の期間について、当面その実施が行われない場合」とされています。そこで、今回新型コロナウィルス感染症の影響で臨時休園となっている場合なのですが、この点については通達で、「保育所等の内定を受けている場合又は保育所等へ子を入所させている場合であって、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、子が1歳に達する日の翌日において保育所等が臨時休園となっている場合又は市町村若しくは保育所等から登園を控える旨要請がなされている場合」は上記の条件に該当するとされたため、上記の回答の前段のように育児休業給付金の支給も認められるものとされました。 この場合は法定の育児休業となりますので、育児休業給付金の支給が行われます。

一方、後段のように、法定を超える育児休業については、給付金の支給対象となりません。

なお、保育所に子どもを入所させる予定だった労働者が、市区町村等からの登園自粛の要請は受けていないものの、感染防止のために自主的に子どもを保育所に預けなかった場合については、法定の1歳6か月までの育児休業が認められる要件には該当しません。

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参考リンク

新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(厚労省HP)