今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省がトラック、バス、タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督指導や送検の状況を公表
  • 労働基準関係法令違反が認められたのは、3,240事業(82.9%)
  • 労働基準関係法令違反事項では労働時間(56.0%)が最も多くなっている

 

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厚生労働省が全国の労働局や労働基準監督署などの労働基準監督機関が、トラック、バス、タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督指導や送検の状況について取りまとめ、公表しました。

自動車運転者は、依然として長時間労働の実態にあり、脳・心臓疾患の労災認定件数が最も多い職種とされており、厚生労働省は、引き続き、自動車運転者を使用する事業場に対し、労働基準関係法令などの周知・啓発に努め、問題があると考えられる事業場については監督指導を行うなど、自動車運転者の適正な労働条件の確保に取り組んでいくとしています。

平成26年の監督指導や送検などの概要はつぎのとおりです。

  1. 監督指導を行った事業場は3,907 事業場。そのうち、労働基準関係法令違反が認められたのは、3,240事業(82.9%)。 また、改善基準告示違反が認められたのは、2,373事業場(60.7%)。
  2. 主な労働基準関係法令違反事項は、多い順に ➀労働時間(56.0%) ➁割増賃金(24.3%) ➂ 休日(6.4%)。
  3. 主な改善基準告示違反事項は、多い順に ➀最大拘束時間(48.3%) ➁ 総拘束時間(38.3%) ➂休息期間(35.3%)。
  4. 重大または悪質な労働基準関係法令違反により送検を行ったのは56件。

なお、一般貨物運送業などでは許認可権を持つ国土交通省との連携による指導監督も行われており、相互通報や合同監督・監査も運用上定着しています。

参考リンク

自動車運転者を使用する事業場に対する平成26年の監督指導、送検の状況を公表します(厚生労働省HP)

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