厚生労働省が「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」と「不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック」の2冊を公開しました。「マニュアル」は事業主や人事部門向けに作成されたもので、不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりが、離職防止や新たな人材の発掘といった企業のメリットにもつながることや、両立支援制度の導入方法などが記載されています。一方、 「ハンドブック」 は同じ職場で働く上司や同僚向けに作成されたもので、職場での不妊治療への理解を深めてもらうため、不妊治療の内容や配慮すべきポイントなどを記載しています。
「不妊治療を受けながら働き続けられる職場作りのためのマニュアル」によれば、不妊治療と仕事の両立支援制度のポイントは次のようにまとめられています。
- 男女とも同様に利用可能な制度とする
- 「不妊治療」と前面に出さない方がよい場合もある
- 不妊治療以外の施策とパッケージ化して導入する
- 導入時には外部にも発信する
- 制度づくりと併せて風土づくりをする
- ハラスメントを防止する
- 非正規雇用労働者も対象にする
- プライバシーの保護に配慮する
また、「不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック」は次のような内容となっています。
- データで見る不妊治療と仕事の両立
- 不妊治療についての解説
- 職場での配慮のポイント
- 不妊治療を受けている、受ける予定の人たちへの情報
不妊治療は、一定の年代の女性のみに関わることではなく、男女や年齢層に関わらず治療に取り組みたいという人がいます。また、不妊の原因は、女性だけにあると誤解しているケースも少なくありません。WHO(世界保健機関)によれば約半数は男性に原因があるとされています。そのため、このような資料をもとに、不妊治療を受けながらも就労継続が可能な職場づくりを図ることが人材確保の観点からも大切です。
参考リンク
不妊治療と仕事の両立に関するマニュアルとハンドブックを作成しました(厚労省HP)