不適切な裁量制に企業名公表

世界の労働基準監督署からVOL005:那覇労働基準監督署

厚生労働省が、裁量労働制の不適正な運用が複数の事業場で認められた企業の経営トップに対する都道府県労働局長による指導の実施及び企業名の公表を行う場合の手続を定めました。

今回の措置のは、複数の事業場を有する社会的に影響力の大きい企業において、裁量労働制の不適正な運用が認められた場合、本社を 管轄する局長から、当該企業の経営トップに対して、早期に全社的な是正を図るよう 指導を行うとともに、指導を行った事実を公表するものです。これにより、経営トップが 当該企業の裁量労働制の不適正な運用の問題点を十分理解した上で、自ら率先して、 全社的な早期是正に向けた取組を行い、当該企業全体の法定労働条件の履行確保を図 るようにするものとされています。

ここで、「不適正な運用実態」とは、次のような場合です。

  1. 裁量労働制の対象労働者の概ね3分の2以上について、対象業務に該当しない業務に従事していること。
  2. 上記1に該当する労働者の概ね半数以上について、労働時間、休日労働、または割増賃金の規制への違反が認められること。
  3. 上記2に該当する労働者の1人以上について、1か月当たり100時間以上の時間 外・休日労働が認められること。

上記に該当する場合、企業の本社および支社等に対する全社的な監督指導を実施し、裁量労働制の運用状況が確認されることになります。なお、支社等については、主要な支社等であって、企業規模および事案 の悪質性等を勘案し、全社的な是正・改善状況を確認するために必要な範囲で決定さ れます。 つまり、「全社的」といっても、文字通り全ての事業所に対して監督指導が行われるわけではなく、情状を勘案して大きい事業所を優先して監督指導が行われるというわけです。

これらの監督指導によって、不適正な運用実態が組織的に複数の事業場で認めら れる場合であって、当該企業が裁量労働制を相当数の労働者に適用しているときは、 代表取締役等経営トップを本社管轄の労働局へ呼び出した上で、労働局長から早期に法違反の是正に向けた全社的な取組を実施することを求める指導書を交付するとともに、次の事項が公表されます。

  • 企業名
  • 裁量労働制の不適正な運用、それに伴う労働時間関係違反等の実態
  • 局長から指導書を交付したこと
  • 当該企業の早期是正に向けた取組方針

裁量労働制の不適切な運用はレピュテーションリスクを伴うことになりますので、そのような場合には適切な運用への改善が求められます。

参考リンク

裁量労働制の不適正な運用が認められた企業への指導及び公表について(厚労省HP)

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