世界の労働基準監督署からVOL005:那覇労働基準監督署

引き続き、交付通達について見ていくことにしましょう。今回は安衛法とパート・有期労働法の内容について見ていくことにしましょう。なお、従来のパートタイム労働法は、今回の法改正により、有期契約労働者も対象となり法律の名称が変わりました。以下ではパート・有期労働法ということにします。

6.面接指導等

面接指導については、「新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務に従事する労働者」、「高度プロフェッショナル制度の対象労働者」に対する面接指導等が創設されましたが、この点については触れないことにします。

今回の安衛法の改正で注目されるのは、面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者の労
働時間の状況を把握しなければならないものとされたことです。これにより、労働時間の把握義務も法令上の義務と位置付けられました。

7.不合理な待遇の禁止

ここからは労契法の内容になります。

パート・有期労働法は、パート・有期労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、①当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、②当該職務の内容及び配置の変更の範囲③その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならないものとされました。

これがいわゆる「同一労働同一賃金」を定めたものとされている規定です。今後具体的なガイドラインが正式に定められることになっています。

8.通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止

事業主は、①職務の内容が通常の労働者と同一のパート・有期労働者であって、②当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、パート・有期労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならないものとされました。

これは、もともとパートタイム労働者を対象とするものでしたが、今回の法改正で有期契約労働者も対象とされたものです。

9.事業主が講ずる措置の内容等の説明

事業主は、次に掲げる説明義務が課せられました。

  • 雇い入れたときは、速やかに、不合理な待遇の禁止などの措置の内容について、説明しなければならないものとされました。
  • 短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、通常の労働者との間の待遇の相違の内容・理由および不合理な待遇の禁止などの措置に関する決定をするに当たって考慮した事項について、説明しなければならないものとされました。なお、事業主は、この求めをしたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないものとしされています。

このうち雇入れ時の説明義務は、特に労働者から求めがなくても実施しなければなりません。

リンク

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律について(厚生労働省HP,PDF)

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