厚生労働省の労働政策審議会が育児・介護休業法の改正法案の要綱について、厚生労働大臣に「おおむね妥当」と答申しました。今回の改正案で注目されるのが、男性の育児休業取得の促進のための「出生時育児休業」ですので、ここでは、要綱にもとづいてその概要をみていきましょう。

出生時育児休業とは、養育する子について、事業主に申し出ることにより、子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日までの期間内に4週間以内の期間を定めてする休業をいいます。有期雇用者の場合は、子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者に限り、当該申出をすることができます。この休業は、合計28日を限度として、2回まで分割することができます。

事業主は、原則として出生時育児休業申出を拒むことはできません。ただし、過半数代表者との労使協定で定めた場合に育児休業申出を拒むことができるのと同じ理由で拒むことができます。

また、労使協定で、出生時育児休業期間中に就業させることができるものとして定められた労働者に該当する労働者については、出生時育児休業開始予定日の前日までの間、就業可能日等を申し出ることができます。この場合、事業主は、就業可能日等の範囲内で日時を提示し、出生時育児休業開始予定日とされた日の前日までに当該労働者の同意を得た場合に限り、当該労働者を就業させることができるものとされました。ただし、就業させることができる日数・時間数は、休業期間中の労働日・所定労働時間の半分を上限とされています。これは、休業期間中でも就労を法令で認めることで休業取得促進を図るためと思われます。

なお、申出をした労働者は、出生時育児休業開始予定日の前日までは、当該申出に係る就業可能日等を変更し、または当該申出を撤回することができます。この「開始予定日の前日まで」というところは、実務上重要なポイントになるでしょう(特別の事情がある場合は開始後も撤回可能となる予定です)。

このほかは、この制度は通常の育児休業と同様の取り扱いとなる部分も多いです。詳細なリーフレットなどが公開されたら確認するようにしてください。

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参考リンク

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案要綱」の諮問及び答申について(厚生労働省HP)