副業・兼業に係る実態把握の内容等が労働政策審議会安全衛生分科会の資料として公開されました。今回は、この調査結果のポイントについてみていくことにしましょう。

まず、副業をしている人が現在どのくらいいるのかというと、その割合は全体で9.7%であり、本業の就業形態別では、「自由業・フリーランス(独立)・個人請負」が29.8%と最も高く、次いで「自営業」、「会社役員」と、非雇用の形態での副業が多いことがわかりました。依然として兼業副業をしている労働者は少ないのが現状と言えます。

次に、本業の収入別では、「5万円未満」、「5万円以上10万円未満」、「10万円以上20万円未満」が、全体と比べて割合が高く、20万円未満が全体の3分の1程度を占めています。一方、70万円以上という回答も1割程度ありました。

副業をしている理由について、「収入を増やしたいから」と回答した割合が最も高く56.5%、次に「1つの仕事だけでは収入が少なすぎて、生活自体ができないから」と回答した割合が高く39.7%でした(本問は複数回答可)。この結果からは、副業を始める動機が金銭目的であることが多いことがわかります。

最後に労働時間についてみてみましょう。1週間あたりの副業の総実労働時間については、「10時間以上20時間未満」、「5時間以上10時間未満」、「5時間未満」の順に回答した割合が高い結果でした。副業は20時間未満の方が全体の約7割を占めていますが、週10時間以上副業をしている割合も半数以上いる点には長時間労働の観点から留意が必要です。

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参考リンク

第132回 労働政策審議会安全衛生分科会資料1(厚生労働所HP,PDF)