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厚生労働省が令和5年労働組合活動等に関する実態調査の概況を公表しました。そこで、以下では注目のポイントについてみていくことにしましょう。

まず、組合員数の変化についてですが、3年前(令和2年6月)と比べた組合員数の変化をみると、組合員数が「増加した」23.0%(令和3年調査31.4%)、「変わらない」22.3%(同25.8%)、「減少した」54.5%(同42.7%)となっています。

このうち、組合員数が増加した理由(複数回答)をみると、「新卒・中途採用の正社員の組合加入」89.9%(令和3年調査84.4%)が最も高く、次いで「正社員以外の労働者の組合加入」10.0%(同14.1%)、「在籍する正社員の組合加入」8.6%(同9.5%)などがつづいています。

一方、組合員数が減少した理由(複数回答)をみると、「自己都合退職」75.8%(令和3年調査65.0%)が最も高く、次いで「定年退職」64.9%(同66.7%)、「正社員の採用の手控え」34.5%(同38.3%)などとなっている。

このように、増加・減少の理由はともに社員の増減に関係するものが多いですが、増加の理由には、正社員以外の加入や元々加入していなかった労働者が加入している動きも見られます。組織拡大の取組対象として特に重視している労働者の種類をみると、「新卒・中途採用の正社員」51.5%が最も高く、次いで「在籍する組合未加入の正社員」20.3%、「パートタイム労働者」9.1%などとなっており、このような動きが組合員の増加につながったものといえるでしょう。

一方で組織化をすすめていくうえでの問題点(複数回答)をみると、いずれの種類の労働者においても「組織化対象者の組合への関心が薄い」が最も高くなっています。

以上をふまえると、新卒・中途のほか、パートもふくめた未加入者への働きかけには一定の成果が上がっているものの、全体としては減少傾向にある組合の方が多いといえるでしょう。

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参考リンク

令和5年 労働組合活動等に関する実態調査 結果の概況(厚生労働省HP)