今日の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省が「平成29年の労働災害発生状況」を取りまとめた
  • 平成29年は、死亡災害は前年を上回り、978人(5.4%増)となった
  • 死傷者数が多い業種は製造業だった

厚生労働省が「平成29年の労働災害発生状況」を取りまとめました。平成29年は、死亡災害・休業4日以上の死傷災害の発生件数は、ともに前年を上回り、それぞれ978人(5.4%増)、120,460人(2.2%増)となりました。死亡災害は3年ぶり、死傷災害は2年連続で増加しました。

死傷者数が多い業種は、製造業が26,674 人(前年比220人・0.8%増)、建設業が15,129人(同71 人・0.5%増)、陸上貨物運送事業が14,706人(同729人・5.2%増)、小売業13,881人(同437人・3.3%増)となりました。人手不足が深刻な業種が多く、長時間労働や作業員の高齢化なども原因として考えられます。

また、死亡者数は978人で、平成28年の928人に比べ5.4%の増加となり、3年ぶりに増加となりました。死亡者数が多い業種は、建設業が323人(前年比29人・9.9%増)、製造業が160人(同17人・9.6%減)、陸上貨物運送事業が137人(同38人・38.4%増)です。

災害発生状況を業種別にみると、建設業では、依然として「墜落・転落」が占める割合が大きく、死亡災害で「交通事故(道路)」や「はさまれ・巻き込まれ」が増加し、死亡災害、死傷災害ともに前年を上回りました。また、陸上貨物運送事業では、死亡災害で、依然として「交通事故(道路)」が占める割合が大きく、「はさまれ・巻き込まれ」や「墜落・転落」が大幅に増加し、死亡災害、死傷災害ともに前年を大きく上回りました。

第三次産業では、引き続き「転倒」と腰痛などの「動作の反動・無理な動作」が増加傾向にあり、死傷災害が前年を上回りました。特に、労働者数の増加を背景に、小売業、社会福祉施設、飲食店の死傷災害は、増加傾向にあり、いずれの業種も「転倒」が全体の約3分の1を占めています。また、小売業、飲食店では、「転倒」が最も多いが、社会福祉施設では、施設利用者の移乗介助中などでの腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が最も多く、増加を続けています。

労働災害は業種ごとに、さらには会社ごとに特徴があります。リスクアセスメントなどを通じて、自社に適した災害防止のための施策が必要です。

参考リンク

平成29年の労働災害発生状況を公表(厚労省HP)

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