世界の労働基準監督署からVOL003:千葉労働基準監督署

千葉労働局では「陸上貨物運送業労災防止トリプル作戦」を実施しています。陸上貨物運送業における労働災害は平成28年から令和2年まで5年連続で増加しており、令和3年になっても増加傾向が継続しています。

千葉県内で発生した陸運業の労働災害は、荷台などからの「墜落・転落」による死傷者数が前年より増加しています。「墜落・転落」による災害は、死亡や重篤化につながることが多い災害です。荷台などからの「墜落・転落」による労働災害防止に関する取組については、陸上貨物運送事業者のみならず荷主等を含めた陸上貨物運送業に関係するすべての事業者において実施していくことが必要であることからから、千葉労働局では、陸上貨物運送事業者、荷主、千葉労働局の三者が一体となった「陸上貨物運送業労災防止トリプル作戦」を展開しています。

その内容は、陸上貨物運送業事業者は、荷役作業での墜落・転落防止対策の徹底や高齢者の労働災害防止のための取組、荷主等は、荷主等が管理する施設へのプラットホーム、荷台への昇降設備等、荷役作業中の墜落・転落災害防止のための設備等の設置や荷役作業場所の整理整、千葉労働局は 労働災害防止のための研修資料の作成及び周知などがあります。

HPでは労働災害防止対策の好事例も紹介されています。公開されている資料によれば、「荷台の床面全体が動力により前後にスライドする「オートフロアー」を採用することで、常に荷台最後部に降ろす荷を移動できようにした」ことにより、「①各配送先で荷台に昇らずとも、荷物を降ろせるため、荷台への昇り降りがなくなり、危険リスクの発生頻度を大幅に減少することができた。②後方へ荷物をスライドすることで、荷台前方にスペースが生じ、そこに回収した空のオリコンを脇扉から積めるため、配送途中で荷の移動作業が無くなった」ことなどの効果があったことが報告されています。この会社では、現在までに車両全数の4分の3がオートフロアー仕様となっているとのことです。

陸上貨物運送業では、年々ドライバーの高齢化も進んでおり、安全対策は喫緊の課題です。以下の参考リンクに掲載されているその他の資料も参照してください。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

「陸上貨物運送業労災防止トリプル作戦」実施中(千葉労働局HP)