image086厚生労働省は、平成25年の「職場での熱中症による死亡災害の発生状況」をとりまとめるとともに、今年度の熱中症予防のための通達を発出しました。

まず、昨年度の職場での熱中症による死亡者は30人と、平成24年よりも9人多い結果となりました。業種別にみると、「製造業」(7人←平成24年4人)、「農業」(1人←同0人)、「運送業」(1人←同0人)、「その他の事業」(9人←同2人)で増加し、「建設業」(9人←同11人)、「林業」(1人←同2人)で減少し、「警備業」(2人←同2人)で同数となっています。その他業種のうち派遣業は3人で、そのうち製造業への派遣は2人でした。

今年の夏は、気温が平年並みか平年より高くなることが見込まれ、熱中症による労働災害が多く発生することが懸念されています。そこで、平成26年の職場における熱中症予防対策については、平成25年に死亡災害が多く発生している建設業及び建設現場に付随して行う警備業並びに製造業を重点業種として実施することとし、次の熱中症予防対策の重点的な実施を行うとしています。

① 建設業や、建設現場に付随して行う警備業では、特に次の4項目を重点事項とすること。

  1. WBGT 基準値を超えることが予想される場合には、簡易な屋根の設置、スポットクーラーの使用、作業時間の見直しを行うとともに、単独での作業を避けること。作業時間については、特に、7,8月の 14 時から 17 時の炎天下などで WBGT 値が基準値を大幅に超える場合には、原則作業を行わないことも含めて見直しを図ること。
  2. 作業者が睡眠不足、体調不良、前日に飲酒、朝食を食べていない、発熱・下痢による脱水症状などがみられる場合は、熱中症の発症に影響を与えるおそれがあることから、作業者に対して日常の健康管理について指導するほか、朝礼の際にその状態が顕著にみられる作業者については、作業場所の変更や作業転換などを行うこと。
  3. 管理・監督者による頻繁な巡視や、朝礼などの際の注意喚起などにより、自覚症状の有無に関わらず、作業者に水分・塩分を定期的に摂取させること。
  4. 高温多湿な作業場所で初めて作業する場合には、順化期間を設けるなどの配慮をすること。

 

② 製造業では特に次の2項目を重点事項とすること。

  1.  WBGT 値の計測などを行い、必要に応じて作業計画の見直しなどを行うこと。
  2. 管理・監督者による頻繁な巡視や、朝礼などの際の注意喚起などにより、自覚症状の有無に関わらず、作業者に水分・塩分を定期的に摂取させること。

 

※WBGT値とは、気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数をいいます。

 

■関連リンク

平成25年「職場における熱中症による死亡災害の発生状況」を公表します~WBGT値(暑さ指数)が基準値を超える場合、作業計画の見直しを行うなど今年の夏も対策の徹底を~

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