今日の記事、ざっくり言うと…

  • 労働政策審議会が同一労働同一賃金に関する法整備について建議を行い、公表
  • 建議では、「正規と非正規の間にある賃金、福利厚生、教育訓練などの面で待遇格差は、将来にわたり社会全体へ影響を及ぼすに至っている」として、正規と非正規の間の不合理な待遇差の是正を進めるための視点などが示されている

労働政策審議会が同一労働同一賃金に関する法整備について建議を行い、公表しました。厚生労働省は、この建議の内容を踏まえ、法案要綱を作成するとしています。

建議では、「正規と非正規の間にある賃金、福利厚生、教育訓練などの面で待遇格差は、将来にわたり社会全体へ影響を及ぼすに至っている」として、正規と非正規の間の不合理な待遇差の是正を進めるためには、次の3つの観点が重要としています。

  1. 正規雇用労働者-非正規雇用労働者両方の賃金決定基準・ルールを明確化
  2. 職務内容・能力等と賃金等の待遇の水準の関係性の明確化を図る
  3. 教育訓練機会の均等・均衡を促進することにより、一人ひとりの生産性向上を図る

そして、これらを受けて、以下の考え方を法へ明記していくことが適当としました。

  • 雇用形態にかかわらない公正な評価に基づく待遇決定がされるべきであること
  • これにより多様な働き方の選択が可能となる→非正規の意欲・能力が向上→労働生産性の向上→企業や経済・社会の発展につながる。

その上で、昨年末に政府が提示した「同一労働同一賃金ガイドライン(案)」の確定、確定したガイドラインの実効性を担保するため、労働者が司法判断による救済を求める際の根拠となる規定の整備、労働者に対する待遇に関する説明の義務化、行政による裁判外紛争解決手段等の整備などの法改正を行うとされています。

なお、法整備と併せ、賃金制度の構築等が可能な限り速やかかつ計画的に行われるよう、非正規を含めた労使の対話を促進するための支援措置についても検討する必要があるとされました。

このような考えのもとに、今回法改正の前段となる「建議」が成立しました。いよいよ次は改正法案が提示されることになります。次回は、その内容についても見ていくことにします。

参考リンク

労働政策審議会建議-同一労働同一賃金に関する法整備についてー(厚労省HP)

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