在職老齢年金の改正の動向

世界の年金事務所からvol010:松戸年金事務所

現在、厚労省内の社会保障審議会年金部会で在職老齢年金に関する法改正が検討されています。

現行制度では、就労し、一定以上の賃金を得ている厚生年金受給者について、賃金(ボーナス含む)と年金の合計額が基準額を上回る場合、賃金2に対し、年金1を停止されます。基準額は、65歳以上(高在老)については47万円(2019年度)、 60~64歳(低在老)については28万円(2019年度)とされています。

今回、在職老齢年金の改正が検討されているのは、年金制度が保険料を拠出した者に対し、それに見合う給付を行うことが原則である中で、どのような場合に、年金給付を一定程度我慢してもらい、年金制度の支え手にまわってもらうか、在り方を検討する必要があること、高齢期の就労拡大に対応し、就労意欲を阻害しない観点から、就労により中立的となり、また、繰下げ受給のメリットも出るよう、 在職老齢年金制度を見直すためとされています。

今回示されている見直しの方向性についてみていきましょう。

まず、65歳以上の在職老齢年金制度(高在老)については、次の2つが示されています。

  • 基準額を62万円に引上げ
    • 一部の上位所得者(在職受給権者の約1割程度)は引き続き支給停止の対象とする。
    • 一方で、多くの一般的な収入の方が支給停止の対象とならないよう にし、繰下げ受給のメリットを受けることができるようにする。
  • 完全撤廃
    • 保険料を拠出された方に対し、それに見合う給付を行う年金制度の原則を徹底する。
    • 高所得者含め全ての方にとって繰下げ受給のメリットが最大化されるようにする。

次に、60~64歳の在職老齢年金制度(低在老)については、次の2つが示されています。

  • 支給開始年齢引上げまでの間(男性は2025年度まで、女性は2030年度まで)特別に支給している年金給付が対象であり、現行の基準のままとする。
  • 就労意欲への影響を考慮し、また、制度を分かりやすくするという観点から、高在老と同じ額に基準額を引き上げる。

低在老は経過的な制度であるため、長期的な財政影響は極めて軽微であることから、高在老の動向が特に注目されます。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

第11回社会保障審議会年金部会(厚労省HP)

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