• 今回は外国人労働者を雇い入れるにあたって注意すべき点についてみていく
  • 外国人を雇入れようとする場合には、就労させようとする仕事の内容が在留資格の範囲内の活動か、在留期間を過ぎていないかを確認することが必要
  • 「留学生」は、資格外活動許可を受けた場合、アルバイトを行うこ とができる

6月は「外国人労働者問題啓発月間」です。昨年10月末現在、外国人労働者を雇用している事業所数は17万2,798カ所、外国人労働者数は108万3,769人に上ります。労働力人口の減少時代の中、外国人労働者を雇い入れる場面は今後増加すると考えられます。

そこで、今回は外国人労働者を雇い入れるにあたって注意すべき点についてみていくことにしましょう。

まず、前提として、外国人であっても、労働基準法等の労働法や健康保険法などの社会保険が適用されることは当然です。その上で、さらに、外国人には、入管法上の就労制限があることに注意が必要です。

外国人が日本国内で就労する場合には、在留資格による制限を受けます。そのため、外国人を雇入れようとするときは、就労させようとする仕事の内容が在留資格の範囲内の活動か、在留期間を過ぎていないかを確認する必要があります。これらの在留資格や在留期間は、在留カードにより確認することができます。

在留カード 表面イメージ

入国管理局HPより

在留カードとは、中長期在留者に交付されるカードを言います。「中長期在留者」とは、以下のいずれにもあてはまらない人です。

  • 「3月」以下の在留期間が決定された人
  • 「短期滞在」の在留資格が決定された人
  • 「外交」または「公用」の在留資格が決定された人
  • 特別永住者(「特別永住者証明書」が発行されます。)
  • 在留資格を有しない人

なお、日系二世、三世については、「日本人の配偶者等」又は「定住者」の在留資格により入国が認められることになっています。これらの在留資格をもって入国する者については、入管法上、在留期間は制限されていますが、その活動には制限は設けられていません。したがって、これらの在留資格を持つ日系人は、いわゆる単純労働分野での就労も可能です。

ただし、日系人であっても他の在留資格で滞在している場合には、その在留資格の範囲内での活動に制限されます。「短期滞在」や「研修」等の在留資格により滞在している場合は就労できません。

また、近年小売店や飲食店で見かける外国人店員は、留学生であることが多いです。

「留学生」は、資格外活動許可を受けた場合、アルバイトを行うこ とができます。資格外活動許可を受けている場合は、パスポートに許可証印又は「資格外活動許可書」が交付されていますので、それを確認してください。もちろん、資格外活動の許可を受けずにアルバイトに従事した場合は、不法就労となります。

資格外活動許可を受けた留学生については、一般的に、1週28時間以内を限度として勤務先や時間帯を特定することなく、包括的な資格外活動許可が与えられます(当該教育機関の長期休業期間にあたっては、1日8時間以内)。

なお、全ての事業主には、外国人労働者(特別永住者及び在留資格「外交」・「公用」の者を除く)の雇い入れと離職の際に、その外国人の労働者の氏名、在留資格、在留期間等について確認しハローワークへ届け出ることが義務付けられています。

参考リンク

6月は「外国人労働者問題啓発月間」です(厚労省HP)

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