世界の労働基準監督署からVOL017:三田労働基準監督署

大企業等の働き方改革による下請等中小事業者への「しわ寄せ」が問題になっているところ、今年6月に厚生労働省・公正取引委員会・中小企業庁が一層の連携を図り、「働き方改革の推進」と 「取引適正化」を一体的に推進するため 「大企業・親事業者の働き方改革による下請等中小 事業者への「しわ寄せ」防止のための総合対策」を策定し、業所管省庁に対して、所管業界団体への指導、周知啓発等の積極的な関与について働きかけ を実施することとしています。

そして、先日の「中小企業・小規模事業者の 長時間労働是正・生産性向上と 人材確保に関するワーキンググループ」で、その防止の進捗状況が報告されました。

  • 「振興基準」の分かりやすいリーフレットを作成【中小企業庁(8月)】
    • 都道府県労働局、労働基準監督署に順次配付し、働き方改革関連法に関する説明会等の機会に配付。
  • 働き方改革関連法に関する説明会への中小企業庁職員の派遣 【厚生労働省・中小企業庁(8月~)】
    • 労働基準監督署が開催している中小企業向けの説明会に、中小企業庁や地方経済産業局の職員を派遣。
    • 「振興基準」の内容や、下請法や独占禁止法で定める禁止行為に該当する親業者の行為について説明し、 「しわ寄せ」の防止に向けた周知啓発を実施。
  • 「しわ寄せ」事例や「しわ寄せ」防止・改善事例関係【業所管省庁(8月~)】
    • フォローアップ調査の結果の中から、「しわ寄せ」事例と考えられるもの(11事例)及び「しわ寄せ」 防止・改善事例と考えられるもの(17事例)を、令和元年8月16日、厚生労働省・中小企業庁から業所管省庁 に提示。
  • 経営トップに対する直接要請等【業所管省庁(3月~)】
    • 業所管省庁の幹部等が、大企業等の経営トップが参加する総会、会合などに出席し、コスト負担を伴わない 短納期発注等を防止し、自社の働き方改革により下請等中小事業者に「しわ寄せ」が生じないよう、141回の 直接要請を実施。

中小企業における働き方改革には発注者や元受け事業者の協力が不可欠であることが少なくありません。このような取り組みがあることもふまえて。場合によっては行政の力も借りながら実施してくことでうまくいくこともあるでしょう。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

第10回 中小企業・小規模事業者の 長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループ議事次第(首相官邸HP)