今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 国交省が「自動車整備業における女性が働きやすい環境づくりのためのガイドライン」を策定
  • 工具・機器の改善、作業分担の工夫、設備面の改善、ライフイベントに対応した制度の整備が重要

写真は記事内容と関係ありません。

自動車整備業は、その仕事内容等により男の職場というイメージが定着していますが、近年、自動車の電子化等により作業内容が変化したことや、女性特有のきめ細かな対応による顧客対応サービスの向上等から、女性の自動車整備士にあらためて注目が集まっているとして、国交省が、女性整備士の活躍を推進するため、自動車整備に従事する女性整備士に対するアンケート調査を実施し、その結果に基づいて、「自動車整備業における女性が働きやすい環境づくりのためのガイドライン」を策定しました。

そこで、以下ではそのポイントについて見ていくことにしましょう。

1.工具・機器の改善、作業分担の工夫に関するポイント

望まれている工具及び機器の仕様、作業による身体的負担を参考に、身体的負担の軽減のための器具・工具の導入や、男性整備士との作業分担の工夫を検討し取り組むことが望ましいとされています。具体的には、軽量化・コンパクト化、省力化(柄の長い道具)、振動の軽減など、女性が使用しやすい器具・工具などがよいでしょう。

2.設備面の改善に関するポイント

アンケートの結果、最も多く望まれている設備は工場内の空調設備であり、特に、冬の暖房設備を望む声が多くあったようですまた、男女別のトイレ、シャワールーム、更衣室を望む声もあります。

このように、女性整備士の雇用のためには施設・設備面の改善も大切です。もっとも、工場内の空調設備については、男性も同様の要望が多いと思われます。

3.制度や体制面の改善

出産・育児などライフイベントに対応した休業制度、勤務体系、復職研修制度の導入に取り組むことが望ましいとされています。育児介護休業法に規定されている休業・休暇・労働時間の短縮措置等の理解が欠かせません。

このようにしてみると、女性が働きやすい職場のポイントは肉体的負担の軽減と出産・育児等のライフイベントへの配慮の2点に集約されるのではないでしょうか。このように考えれば、このガイドラインは単に自動車整備業に限らず、幅広い業種への応用が利くものと考えれらます。

参考リンク

自動車整備業における女性が働きやすい環境づくりのためのガイドライン(国交省HP)

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