岐阜県で、岐阜労働局長、中部経済産業局長、岐阜県商工労働部長の連名で、 技能実習生の労働条件改善のために取引の適正化を業界団体に要請しました。

このような要請がどのような経緯で行われたのかというと、岐阜県内には全国で6番目に多い 11,600 人の外国人技能実習生が技能実習を行っ ていますが、1か月 100 時間を超える長時間残業や最低賃金を下回る賃金を支払うなど不適切な労務管理等が行われている事例が数多く発生しており問題となっていました。中でも重大悪質な事案 として、労働基準監督署が送検を行った事案の大部分を縫製業が占めていました。この要因として、外国製品との競争の激化等を背景とした縫製工賃単価の切下げ等の厳しい業界事情が技能実習生をはじめとする労働者の労働条件に与える影響が少なくないこと も指摘されています。

そのような中で、今回の要請は次のような動きをふまえて行われたものです。

  • 働き方改革関連法の一つとして、労働時間設定改善法の改正により、他の事業主との 取引を行う場合に、著しい短納期の発注を行わないこと等の配慮に努めることが規定され たこと
  • 昨年 6 月に繊維産業技能実習事業協議会で決定された外国人技能実習の 適正な実施等のための取組

要請内容は、① 縫製事業場で就労する外国人技能実習生の長時間労働等につながるおそれがある著し い短納期設定や発注の内容の頻繁な変更を行わないよう努めること、②買いたたき、下請代金の減額、不当な給付内容の変更、やり直し等を行わないこと、の2点です。

近年外国人技能実習制度については多くの批判がされており、その適正化は急務です。この記事のように、行政当局もそのための取り締まりを強化しているところですので、点検や改善の取り組みは早期に実施するべきでしょう。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

外国人技能実習生の労働条件改善のために取引の適正化を要請(岐阜労働局)