世界の労働基準監督署からVOL017:三田労働基準監督署

厚生労働省が令和3年「就労条件総合調査」の結果を公表しました。

「就労条件総合調査」は、我が国の民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的 としています。対象は、常用労働者30人以上の民営企業で、6,411社を抽出して令和3年1月1日現在の状況等について1月に調査を行い、4,013社から有効回答を得ました。

今回は働き方改革関連法により会社に年5日の取得義務が課された年次有給休暇について、改正後の動向についてみてみましょう。

令和2年の 1 年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)をみると、労働者1 人平均は 17.9 日(令和2年調査 18.0 日)、このうち労働者が取得した日数は 10.1 日(同 10.1日)で、取得率は 56.6%(同 56.3%)とわずかに上昇しました。なお、この取得率は、昭和 59 年以降過去最高です。

取得率を産業別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が 73.3%と最も高く、「宿泊業,飲食サービス業」が 45.0%と最も低くなっている。また、規模別でみると、1000人以上の企業では取得日数が11.3日、取得率が60.8%に上るのに対して、30人~99人の企業では取得日数が8.8日、取得率が51.2%となっており、規模の小さい企業ほど年次有給休暇取得が進んでいない傾向にあることがわかります。

年次有給休暇取得促進策として用いられることの多い計画的付与制度については、計画的付与制度がある企業割合は46.2%(令和2年調査43.2%)となっており、導入する企業が増加していることがわかります。また、計画的付与日数階級別にみると、「5~6日」が69.1%(同 66.6%)と最も高くなっています。

このように、年次有給休暇の取得促進については、計画的付与制度を導入するなど企業も工夫していますが、取得率上昇はゆるやかなものにとどまっているのが実情といえるでしょう。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

令和3年就労条件総合調査 結果の概況(厚生労働省HP)