年金機能強化法の施行令が公布

世界の年金事務所からVOL16:水戸北年金事務所

「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」に関する政令が8月6日に公布されました。

第一に、受給開始時期が拡大されたことにともなうもので、主な内容は以下の通りです。

  1. 老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰下げ受給の上限年齢が70歳から75歳に引き上げられることに伴い、繰下げ増額率の計算の基礎となる繰下げ待機月数の上限について、現行の60月(5年分)から120月(10年分)に引き上げる。
  2. 選択された受給開始時期にかかわらず、数理的に年金財政上中立となるよう、繰上げ受給を選択した場合の繰上げ減額率を現行の0.5%/月から0.4%/月に引き下げる。
  3. 70歳以降に繰下げ待機していた者が65歳時点からの本来受給を選択した場合、請求の5年前に繰下げ申出があったものとみなして年金を支給することとする仕組みが導入されることに伴い、2以上の種別の被保険者期間に基づく老齢厚生年金の受給権者が繰下げを行う場合の所要の読替え規定を整備する。

第2に、厚生年金保険法および健康保険法の適用業種に「弁護士、公認会計士その他政令で定める者が法令の規定に基づき行うこととされている法律又は会計に係る業務を行う事業」が追加されたことに伴い、「その他政令で定める者」として、公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士、沖縄弁護士、外国法事務弁護士及び弁理士を規定することが定められました。

第3に、在職中の老齢厚生年金受給者(65歳以上)の年金額を毎年定時に改定することとされたこと(在職定時改定の導入)に伴い、老齢厚生年金の計算の基礎となる被保険者期間の月数が在職定時改定により240月以上となる場合にも、その時点の生計維持関係に応じて加給年金額が加算されることとされました。

第4に、配偶者が老齢厚生年金等の受給権を有する場合には、その全額が支給停止されている場合であっても、加給年金額に相当する部分の支給を停止することとされました。これは、加給年金額の加算の基礎となっている配偶者が、老齢厚生年金(被保険者期間の月数が240月以上であるものに限る。)等の受給権を有している場合には、加給年金額に相当する部分の支給が停止されますが、その配偶者に対する老齢厚生年金等の全額が支給停止となっている場合には、この支給停止が解除されることとなっているところ、配偶者の老齢厚生年金等が一部でも支給されている場合には加給年金が支給されない一方で、配偶者の賃金が高く、在職老齢年金制度によりその全額が支給停止となっている場合には加給年金が支給されるといった不合理が生じていることを踏まえたものです。

第5に、企業型確定拠出年金(企業型DC)および個人型確定拠出年金(個人型DC)の加入可能年齢が引き上げられることに伴い、個人型DCについて、①国民年金の任意加入被保険者に係る各月の拠出限度額を6.8万円とすること、②政令で定める公的年金の給付を受給する者は加入者としないこととしたため、当該給付を繰上げ受給の老齢基礎年金及び老齢厚生年金とすること等の改正がおこなわれます。

また、企業型DC加入者の個人型DC加入の要件緩和がなされることに伴い、①企業型DCの加入者が個人型DCに加入する場合は、事業主掛金を各月拠出かつ各月の拠出限度額の範囲内に納めることとすること、②企業型DCに加入する個人型DCの加入者は、各月の拠出限度額を2万円(DBの加入者等は1.2万円)(当該月の事業主掛金額が3.5万円 (DBの加入者等は1.55万円)を超えたときは超えた額を控除した額)とし、個人型年金加入者掛金を各月拠出かつ各月の拠出限度額の範囲内に納めることとされました。

改正政令は、原則として令和4年4月1日から施行されますが、上記第5の前段は令和4年5月1日、第2、第3の一部、第5の後段は令和4年10月1日、第1の3は令和5年4月1日に施行されるなど、若干ばらつきがあります。

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参考リンク

「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令」の公布について(通知)(令和3年8月6日保発0806第1号・年発0806第1号)(厚生労働省HP,PDF)

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