改正労働施策総合推進法の詳細リーフレットが公表②

2.求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策の義務化

求職者等に対するセクシュアルハラスメントとは、「事業主が雇用する労働者による「性的な言動」により求職者等による求職活動等が阻害されるもの」をいうとされています。ここで、「求職者等」とは、次の者をいいます。

  • 求職者(企業の求人に応募する者)
  • 求職者以外の者であって、
    • 事業主の実施する労働者の採用に資する活動に参加する者や、
    • 教育実習、看護実習その他の実習を受ける者

また、求職活動等とは、求職者が行う求職活動や求職者に類する者が行う職業の選択に資する活動を指します。たとえば、企業の採用面接への参加、企業の就職説明会への参加、企業の雇用する労働者への訪問、インターンシップへの参加、教育実習、看護実習等の実習の受講などです。なお、SNS等のオンラインを介したものやオンライン上で行われるものも含まれます。

性的な言動とは、それぞれ以下が含まれます。

「性的な内容の発言」
・ 性的な事実関係を尋ねること
・ 性的な内容の情報を意図的に
流布すること 等
「性的な行動」
・ 性的な関係を強要すること
・ 必要なく身体に触ること
・ わいせつな図画を配布すること 等

求職者等に対するセクシュアルハラスメントの例として、リーフレットでは、次のものが挙げられています。

  • インターンシップにおいて、労働者が求職者等に対して性的な冗談やからかいを意図的かつ継続的に行ったため、当該求職者等が苦痛に感じてインターンシップ中の活動が手につかないこと
  • 求職者等が労働者への訪問を行った際、当該労働者に性的な関係を求められ、当該求職者等が苦痛に感じてその求職活動等の意欲が低下していること
  • インターンシップ中に労働者が求職者等を執拗に私的な食事に誘い、当該求職者等が苦痛に感じてその求職活動等の意欲が低下していること

求職者等セクハラは、男性も女性も、加害者にも被害者にもなり得る問題です。異性に対するものだけではなく、同性に対するものも該当します。また、求職者等セクハラは、相手の性的指向またはジェンダーアイデンティティにかかわらず、該当することがあり得ます。
事業者が求職者等セクハラの防止のために講ずべき措置は以下のとおりです(太字は、他のハラスメントで講ずべき措置とは異なる内容のものです。)。

③は就活ハラスメント独自の措置ですので、指針の原文も用いて詳しく説明すると、自社の従業員に対しては、面談時間および場所の指定、実施体制ならびにやり取りに用いるSNSの種類の指定その他の求職者等と面談等を行う際の規則を定め、周知・啓発するための研修、講習等を実施すること、また、「求職者等に対しては、上記規則を踏まえ、面談等に関する留意事項をホームページやパンフレット等の広報手段を用いて周知等すること」などが示されています。

なお、事業主及び労働者の責務の趣旨に関連し、求職活動等のおける他のハラスメント(パワハラ、マタハラ等)に類する行為等について、労働者による求職者等に対する言動についても必要な注意を払うよう配慮するとともに、事業主自らと労働者も、求職者等に対する言動について必要な注意を払うよう努めることとされました。昨今の新規学卒者採用の売り手市場の状況やレピュテーションリスクを勘案すれば、セクハラに限らず求職者等に対するパワハラ等についても、防止措置を行うことの必要性は低くないと思われます。

なお、本リーフレットでは触れられていませんが、いわゆる自爆営業についてもパワハラの定義に当てはまればパワハラに該当することが指針で以下の通り明確にされています。

また、商品の買い取り強要等(事業主が労働者に対し、当該労働者の自由な意思に反して自社の商品・サービスを購入させる行為)に関連する言動も、⑴の①から③までの要素を全て満たす場合には、職場におけるパワーハラスメントに該当する。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について(厚生労働省HP)

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