改正労災保険法が成立

労災保険法の改正法が7月 10 日に可決成立し、公布されました。今回の改正は、女性の労働参加の進展など、近年の就業構造の変化や働き方の多様化等を踏まえ、労働災害に対する幅広いセーフティネットを整備するため、労災保険の遺族補償年金における支給要件等の見直し、労災保険の特別加入団体に係る要件の法定化、労働者災害補償保険の適用事業に関する暫定措置の廃止等の措置を講ずるものです。

そこで、今回は、改正法の内容及び施行期日等について確認していきましょう。

第1に、今回の改正の目玉といえるのが、遺族補償年金における支給要件等に関する事項と思われます。

現行の遺族補償年金等を受けることができる遺族の要件については下表のとおりです。

改正法により、①の夫が 60 歳以上であることまたは一定の障害者であることという要件が廃止されます。

また、遺族補償年金等の年金額について、現行では下表のとおりとされています。

改正法により、遺族の人数が1人であり、当該遺族が 55歳以上または一定の障害者である妻である場合の額の特例を廃止し、遺族の人数が一人である場合の額が一律で給付基礎日額の175 日分となります。

第2に、特別加入団体の要件について次のとおり法定化されます。

  1. 労災保険の特別加入団体(一人親方等の特別加入に係る手続等を行う団体)について、現在は通達等で定めている労災保険に係る業務や業務災害の防止に関する活動を適切に実施すること等の要件を法令に規定する。
  2. 特別加入団体に対する業務改善命令や、当該命令に違反した場合に当該団体についての保険関係を消滅させることを可能とする。

第3に、社会復帰促進等事業に関する決定への不服申立てについて、現行では行政不服審査法の対象とされている、社会復帰促進等事業に関する決定への不服申立てについて、労働保険審査官および労働保険審査会法の対象とし、審査請求先および再審査請求先を労災保険給付に関する決定への不服申立てと同様とすることとされました。

第4に、労災保険による療養補償給付、休業補償給付、葬祭料、介護補償給付等を受ける権利について、これらの保険給付の原因である事故に係る疾病が、その性質上、災害補償の事由に該当するものかどうか等を容易に判断することができない疾病として政令で定めるものである場合には、当該保険給付を受ける権利の消滅時効の期間が2年から5年に延長されます。

第5に、労災保険の適用事業に関する暫定措置を廃止し、現在、任意適用とされている農林水産業の小規模な個人経営の事業の一部も労災保険の適用事業となります。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

第221回国会(令和8年特別会)提出法律案(厚生労働省HP)

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