改正省令及び告示の周知に係るQ&Aが公開

同一労働同一賃金ガイドラインおよび雇用管理指針が令和8年に改正されることをうけて、厚生労働省が「改正省令及び告示の周知に係るQ&A」および「同一労働同一賃金ガイドライン及び雇用管理指針に関するQ&A」を公開しました。そこで、今回は基本的な内容について解説されている前者のQ&Aに基づいてその概要をみていくことにしましょう。

今回の改正は、いわゆる同一労働同一賃金に係る規定の施行から5年が経過しましたが、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間には依然として賃金格差があるなど、更なる取組が求められる状況にあるとされていること、この間、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差に関する複数の最高裁判決が示されていることをふまえ、雇用形態または就業形態にかかわらない公正な待遇の確保に向けた取組の強化を図ることとしたものです(問1の答)。

今回の改正の主なポイントはつぎのとおりです(問2の答)。

  • 労働条件明示事項に、事業主にパートタイム・有期雇用労働法第 14 条第2項の規定による説明を求めることができる旨を追加
  • 「同一労働同一賃金ガイドライン」の改正
    • 裁判例を踏まえた、賞与、退職手当、無事故手当、家族手当、住宅手当、病気休職・休暇、夏季冬季休暇及び褒賞に関する記載の追加
    • 通常の労働者の待遇引下げによる待遇の相違の解消に係る記載趣旨の明確化
    • パートタイム・有期雇用労働法第8条の「その他の事情」に係る記載の追加
    • 無期雇用フルタイム労働者等への「同一労働同一賃金ガイドライン」の趣旨の波及等に係る記載の追加
  • 雇用管理指針の主な改正事項は以下のとおりです。
    • パートタイム・有期雇用労働法第 12 条の福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)のほか、物品販売所、病院、診療所、浴場、理髪室、保育所、図書館、講堂、娯楽室、運動場、体育館、保養施設、駐車場等の福利厚生施設の利用に関する便宜の供与の措置を講ずるように配慮しなければならないものとする旨を追加
    • パートタイム・有期雇用労働法第 13 条の正社員転換推進措置を講ずるに当たっては、通常の労働者への転換のための制度を設けるとともに複数の措置を講ずることが望ましいこと、また、面談やメール等の活用により、パートタイム・有期雇用労働者の意向を確認し、意向に配慮しなければならないものとする旨を追加
    • パートタイム・有期雇用労働者に待遇の相違の内容等を説明するに当たっては、次の1または2の方法によるのが望ましいとされ、さらに3が追加されました。
      1. 「資料を活用し、口頭により説明する方法」または「説明すべき事項を全て記載した短時間・有期雇用労働者が容易に理解できる内容の資料を交付する等の方法」によるものとすること
      2. 資料を活用し、口頭により説明する場合には、説明に活用した資料等を交付することと
      3. 交付することが困難な場合であっても、パートタイム・有期雇用労働者から事後に求めがあったときは当該資料を閲覧させる等の工夫をするように努めるものとする旨を追加

今回の改正を受けて、事業主は次のような対応が必要となります。

  • 改正省令の施行日以降、新たにパートタイム・有期雇用労働者を雇い入れた時は、雇い入れ時の労働条件明示事項として、「パートタイム・有期雇用労働法第 14 条第2項の規定による説明を求めることができる旨」を書面の交付等により明示する必要があります(前掲問2の1関連)。なお、具体的な明示方法については、今回の改正を反映したモデル労働条件通知書が厚生労働省のホームページ等で公開されています。
  • 同一労働同一賃金ガイドラインの改正については、雇用するパートタイム・有期雇用労働者の各種待遇が同一労働同一賃金ガイドラインに追加された各種待遇に係る記載に即した内容となっているか点検し、必要に応じ見直しを行うこととされています。
  • 雇用管理指針に追加された福利厚生施設の利用に関する便宜の措置、待遇差に関する説明の方法、正社員転換推進措置の実施方法等に係る措置を適切に講ずることができるよう準備を行う必要があります。

改正省令・告示は令和8年 10 月 1 日から施行・適用することとされています。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

同一労働同一賃金特集ページ~雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保について~(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

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