育児介護休業法の改正にともなう省令の改正案についてパブリックコメントの募集が開始されました。そこで、募集に当たって公開された資料をもとに、令和7年4月1日施行の改正省令の概要をみていくことにしましょう。
第1に、子の看護休暇制度の見直しがあります。改正法では、「子の看護等休暇」の取得時期を小学校3年生の年度まで拡大するとともに、その取得事由として、学校保健安全法第20条の規定による学校の休業の他これに準ずるものとされていたところ、省令案で次のものが示されました。
- 学校保健安全法第19条の規定による出席停止
- 保育所等における学校保健安全法第20条の規定による学校の休業又はアに準ずる事由
さらに、「子の看護等休暇」の取得事由について、教育もしくは保育に係る行事のうち厚生労働省令で定めるものとして、入園、卒園又は入学の式典その他これに準ずる式典が定められます。
第2に、家族の介護に直面した労働者に対する個別の周知等および雇用環境整備に関するものです。改正法により、仕事と介護の両立支援制度は次のようになります。
そして、介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置として、「仕事と介護との両立に資するものとして厚生労働省令で定める制度又は措置」(以下「介護両立支援制度等」という。)は、介護休業のほか次のものとされました。
- 介護休暇に関する制度
- 所定外労働の制限に関する制度
- 時間外労働の制限に関する制度
- 深夜業の制限に関する制度
- 介護のための所定労働時間の短縮等の措置
上記のほかにも、介護休業に関する制度および介護両立支援制度等、両制度の申出先ならびに介護休業給付金に関することが個別の周知等の内容とされました。
申出を受けて行う意向確認のための措置については、面談のほか、省令事項として書面の交付、ファクシミリを利用しての送信または電子メール等の送信が定められました。
次に、介護に直面する前の早期の両立支援制度等に関する情報提供については、個別周知と同じ内容とされました。また、介護休業に関する制度、介護両立支援制度等を知らせるのに適切かつ効果的なものとして厚生労働省令で定める期間は、①40歳に達した日の属する年度の初日から末日まで、または②40歳に達した日の翌日から起算して1年間とされました。情報提供の内容を事項を知らせる方法については、面談、書面の交付、ファクシミリを利用しての送信または電子メール等の送信とされました。
第3に、介護休業申出および介護両立支援制度等申出が円滑に行われるようにするための雇用環境の整備に関する措置については、法令では研修の実施および相談体制の整備が定められていますが、省令ではさらに①雇用する労働者の介護休業の取得に関する事例の収集および①その雇用する労働者に対する当該事例の提供またはその雇用する労働者に対する介護休業に関する制度および介護休業の取得の促進に関する方針の周知とされています。
また、「厚生労働省令で定める介護両立支援制度等に係る雇用環境の整備に関する措置」について、①介護両立支援制度等の利用に関する事例の収集および②当該事例の提供またはその雇用する労働者に対する介護両立支援制度等および介護両立支援制度等の利用の促進に関する方針の周知とされました。
参考リンク
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則等の一部を改正する省令案に関する御意見の募集について(e-gov)