令和6年10月1日以降に、厚生労働大臣が指定する特定一般教育訓練および専門実践教育訓練の受講を開始する場合に、教育訓練給付金の給付率が引き上げられます。
教育訓練給付制度は、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されるものです。
このうち、特定一般教育訓練とは、業務独占資格などの取得を目標とする講座(介護支援専門員実務研修、介護職員初任者研修、特定行為研修、大型自動車第一種・第二種免許 など)デジタル関係の講座(ITSSレベル2の情報通信技術関係資格の取得を目標とする講座大学等)、専門学校の課程(短時間の職業実践力育成プログラム(文部科学大臣認定)、短時間のキャリア形成促進プログラム(文部科学大臣認定))があります。
特定一般教育訓練については、令和6年9月30日以前に受講を開始する方教育訓練経費の40%(年間上限20万円)が訓練修了後に支給されていたところ、令和6年10月1日以降に受講を開始する方上記に加えて、資格取得・就職した場合に、教育訓練経費の10%(年間上限5万円)を追加で支給されることになりました。なお、対象となる就職は、特定一般教育訓練を修了し、その訓練に係る資格を取得(学位の取得等を含む)し、かつ、訓練修了日の翌日から起算して原則1年以内に雇用保険の一般被保険者等として雇用されたまたは一般被保険者等として雇用されていて、特定一般教育訓練修了日の翌日から起算して原則1年以内にその訓練に係る資格を取得(学位の取得等を含む)した場合です。
訓練期間3か月、入学料5万円、受講料25万円の場合の支給額の例は以下の通りです。
一方、専門実践教育訓練給付金については、給付率が70%から80%に引き上げられます。
専門実践教育訓練とは、業務独占資格などの取得を目標とする講座(介護福祉士、看護師、准看護師、美容師、社会福祉士、歯科衛生士、保育士、調理師、精神保健福祉士、はり師など)、デジタル関係の講座(第四次産業革命スキル習得講座(経済産業大臣認定)、ITSSレベル3以上の情報通信技術関係資格の取得を目標とする講座)、大学院・大学・短期大学・高等専門学校の課程(専門職大学院の課程(MBA、法科大学院、教職大学院 など)、職業実践力育成プログラム(文部科学大臣認定) など)、専門学校の課程(職業実践専門課程(文部科学大臣認定)、キャリア形成促進プログラム(文部科学大臣認定))などをいいます。
専門実践教育訓練給付金は、従前は教育訓練経費の50%(年間上限40万円)を受講開始日から6か月ごとに支給し、さらに資格取得・就職した場合は、追加で教育訓練経費の20%(年間上限16万円)が支給されていたところ、令和6年10月1日以降に受講を開始する場合は、上記の資格取得・就職に加えて、訓練修了後の賃金が受講開始前の賃金と比較して5%以上上昇した場合は、教育訓練経費の10%(年間上限8万円)が追加で支給されます。
このように、今回の改正は本体部分ではなく、付加的な給付の充実を図るものといえます。しかし、特定一般教育訓練における資格取得等した場合の10%給付は、利用しやすいものといえるでしょう。
参考リンク
令和6年10月から教育訓練給付金を拡充します(厚生労働省HP)