日雇派遣の例外に該当するか否かの確認方法に関する新通達

image084厚生労働省は、原則禁止されている日雇派遣の例外のうち、生業収入または世帯収入が500万円以上であることの確認が十分に履行していない派遣元事業主が散見されることから、その確認等について、新たな通達を関係団体に発出しました(H26.4.30職派需発0430第8号)。

平成24年10月1日に施行された改正労働者派遣法にでは、日雇派遣(日々または30日以内の期間を定めて雇用する労働者を派遣すること)については原則禁止とされ、例外的に①60歳以上、②学生、③生業収入が500万円以上(派遣就業が副業である場合)、④配偶者等の収入により生計を維持している場合で世帯収入が500万円以上のいずれかに該当する場合に限って認められるものとされました。

そして、業務取扱要領では、例外に該当するかどうかを住民票や健康保険証、所得証明書、源泉徴収票の写し等の公的書類等により確認することを基本とし、合理的な理由によりこれらの書類が用意できない場合、これらの書類のみでは判断できない場合に、やむを得ない措置として、本人からの申告(誓約書の提出)によることとして差支えないとされています。

しかし、生業収入または世帯収入が500万円以上であることの確認について、公的文書等による確認を十分行うことなく、当初から、本人からの誓約書の提出やウェブサイトでの同意文書のチェック欄のチェックに積極的に誘導している派遣元事業主が散見される状況にあることから、今回冒頭の通達により、その考え方が示されたというわけです。

通達では、まず「合理的な理由」により公的書類等が用意できないとは、「本人は公的書類等を用意する意思があるにもかかわらず、他律的要因により用意できないような場合をいう」とし、単に書類を提出・提示したくないという「本人の主観的理由のみでは、合理的な理由とは言えず、不適切」とされました。そして、対象者がプライバシーを主張する場合についても、それ「のみで公的書類等による確認を省略するのは不適切であり、そのような場合には、その内容を具体的に聴取し」、合理的な理由にあたるか否かを確認することを求めています。

そして、誓約書の提出による場合の取扱いの例として、

  1. まずは対象者に公的書類等の提示・提出を求める。
  2. 対象者が公的書類等を提出・提示できない旨主張する場合は、その理由を具体的に聴取し、合理的な理由に当たるか否かを確認する。その際、対象者が主張する理由が単に「プライバシー」のみでは不十分であり、上記の聴取・確認をする。
  3. 聴取の結果、誓約書の提出によると判断した場合は、日雇派遣原則禁止の例外要件のいずれの類型にどのように該当するのかを具体的に聴取し、確認する。
  4. 聴取の後は、聴取の記録を誓約書等とともに保管する。

といった流れが示されています。

このように、厚生労働省は、日雇派遣が認められるかどうかの判断を安易に誓約書によることのないようにする考えを示しました。

一方で、本通達で取り上げられているように、派遣労働者がプライバシーを理由に公的書類等の提示・提出を拒む場合、その対応に苦慮していた事業主も少なくないと考えられます。今回、その場合の取扱いが示されたことは、実務上役に立つものと思われます。

 

※本通達は、労働新聞読者サイトより入手したため、関連リンクはありません。

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