厚生労働省が、令和5年の労働災害発生状況を公表しました。

令和5年1月から12月までの労働災害による死亡者数は、新型コロナウイルス感染症への患によるものを除くと、755人(前年比19人減)と過去最少となりました。

業種別では、件数の多い順に、建設業が223人(前年比58人・20.6%減)、製造業が138人(同2人・1.4%減)、陸上貨物運送事業が110人(同20人・22.2%増)、商業が72人(同9人・11.1%減)でした。このようにしてみると、陸上貨物運送事業の増加が目立ちます。

事故の型別では、件数の多い順に、「墜落・転落」が204人(前年比30人・12.8%減)、「交通事故(道路)」が148人(同19人・14.7%増)、「はさまれ・巻き込まれ」108人(同7人・6.1%減)でした。ここで「交通事故」が増加していることが、陸上貨物運送事業での死亡者数の増加につながっていると推測されます。

一方、休業4日以上の死傷者数は135,371人(前年比3,016人増)と3年連続で増加しました。こちらも業種別にみると、件数の多い順に、製造業27,194人(対前年比500人・1.9%増)、商業21,673人(同29人・0.1%減)、保健衛生業18,786人(同1,549人・9.0%増)、陸上貨物運送事業が16,215人(同365人・2.2%減)でした。ここでは保健衛生業での増加が目立ちます。事故の型別では、件数の多い順に「転倒」が36,058人(前年比763人・2.2%増)、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が22,053人(同1,174人・5.6%増)、「墜落・転落」が20,758人(同138人・0.7%増)となっています。

新型コロナウイルス感染症へのり患による労働災害による死亡者数は4人(前年比13人減)、死傷者数は33,637人(前年比122,352人減)となりました。なお、新型コロナウイルス感染症へのり患によるものを含めた労働災害による死亡者数は759人(前年比32人減)、休業4日以上の死傷者数は169,008人(前年比119,336人減)となります。

厚労省は、労働災害を減少させるために国や事業者、労働者等が重点的に取り組む事項を定めた中期計画である「第14次労働災害防止計画」(以下「14次防」という。)(令和5年度~令和9年度)では、令和9年までに令和4年比で「建設業及び林業においてそれぞれ死亡災害を15%以上」、「製造業における機械によるはさまれ・巻き込まれの死傷者数を5%以上、陸上貨物運送事業の死傷者数を5%以上」減少させること等を目標にしているところ、計画の第二年度となる令和6年度は、目標の達成に向け、労働者の作業行動に起因する労働災害対策、高年齢労働者、多様な働き方への対応や外国人労働者等の労働災害防止対策、陸上貨物運送業、建設業、製造業や林業への対策、労働者の健康確保対策、化学物質等による健康障害防止対策などに取り組んでいくとしています。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

令和5年の労働災害発生状況を公表(厚生労働省HP)