令和6年度に適用される一般労働者の平均的な賃金の額に係る職業安定局長通達の中のハローワーク別地域指数が訂正されました。
派遣労働者の同一労働同一賃金を労使の協定に基づき実施する場合(労使協定方式)、当該派遣元の労使に参照する「一般労働者の賃金の水準(一般賃金水準)」を毎年度厚生労働省が通達で示しているところ、令和6年度の施行のために公開されていた職業安定局長通達(令和5年8月29日)のうち、「ハローワーク別地域指数」の一部に誤りがあることが分かり、訂正版が公開されました。
労使協定方式は、同通達で示す業務別の平均賃金と地域指数(都道府県別、ハローワーク別のいずれかを選択)をかけた値(一般賃金水準)と同等以上となるように、各派遣元の労使協定で賃金制度を設定することが必要な制度です。このため、誤りのあったハローワーク別地域指数を参照して労使協定を締結した派遣元においては、訂正後のハローワーク別地域指数による一般賃金水準を確認し、自社の賃金制度が同水準に満たなくなる場合には、満たすように労使協定の改定が必要となります。
労使協定の改定を行う場合、一般に、準備の時間が必要となることから、令和6年9月30日までを経過措置期間(この期間内は現行協定も有効です)とされます。
さらに厚労省は、「4月当初から協定見直しまでの間について、現行協定と新協定との差を補うことを労使で検討いただけるよう、お願いいたします」としており、差額の補填を求めており、この要請を受けて賃金制度の整備・改善等を行う派遣元事業主に対する支援策を労働政策審議会で諮ることとしています。この文言を読むと、かならずしも差額の補填をしなくても法令違反とは扱わないと言っているようにも読めます。今後、詳細がリーフレットやQ&Aがホームページ等に掲載される予定ですので、これらの資料を確認してから対応したほうが無難でしょう。