派遣法施行規則・派遣元指針の改正
改正労働者派遣法施行規則、改正パート有期法施行規則、改正派遣元指針、改正派遣先指針、改正パート有期指針、および同一労働同一賃金ガイドラインが、4月28日に公布・告示されました。そこで、今回は、これらのうち労働者派遣法施行規則に関連する改正内容についてみていきましょう。
労働者派遣法31条の2第2項・第3項の規定により派遣元事業主が①労働者を派遣労働者として雇い入れようとするとき、および②労働者派遣をしようとするときに明示しなければならない事項に、派遣労働者の同一労働同一賃金における派遣先均衡方式で比較対象労働者となる派遣先労働者との間の待遇の相違の内容および理由等に関する説明を求めることができる旨が追加されました。
また、いわゆる派遣元指針に「派遣労働者の待遇の改善に向けた評価等」が追加され、派遣元事業主は、派遣労働者の職務の成果等の評価、教育訓練・キャリアコンサルティングの実施および就業機会の確保・提供に当たって、その職務の成果等の向上により派遣労働者の待遇が改善するよう、次の事項に留意することが示されることになりました。
- 派遣先に協力を求めつつ、派遣労働者の業務の遂行状況等を把握し、労働者派遣契約や労働契約の更新の機会等の適切な時機に当該派遣労働者の職務の成果等の評価を行うこと。また、派遣労働者の希望に応じて、当該派遣労働者に評価結果をフィードバックすること。
- 派遣労働者に対しキャリアコンサルティングを受けることを勧奨することが望ましいこと。また、キャリアコンサルティングの実施結果等を踏まえ、教育訓練を実施し、就業の機会を提供する等、各措置が派遣労働者の希望に応じて総合的に実施されるよう努めること。
- 1・2に掲げる取組を継続的に実施することによって、派遣労働者の希望する働き方の実現と待遇の改善に向けた好循環を生み出すことが重要であること。
次に、労働者派遣法第 30 条の4第1項の協定(派遣労働者の同一労働同一賃金について労使協定方式で対応する場合に必要な労使協定)の締結に当たって留意すべき事項等に関する項目が追加されます。その中では、派遣元事業主は、労働者派遣法第 30 条の3の規定は、派遣先に雇用される通常の労働者と派遣労働者との間の不合理と認められる待遇の相違を設けてはならないこと等を定めたものであり、労働者派遣法第 30 条の4の規定は、過半数代表者との上記の協定を定めたときは、この協定で定めた範囲に属する派遣労働者の待遇について、一部の待遇を除き、労働者派遣法第 30 条の3の規定は適用しないこと等を定めたものであることに留意することが示されます。ただし、協定を定めた場合であっても、同条第1項第2号、第4号もしくは第5号に掲げる事項であって当該協定で定めたものを遵守していない場合、または同項第3号に関する当該協定の定めによる公正な評価に取り組んでいない場合は、労働者派遣法第 30 条の3の規定による待遇の確保が求められることに留意することが示されます。さらに、協定の締結に当たり、過半数代表者が適正に選出されていない場合は、協定を定めたものとは認められず、労働者派遣法第 30 条の3の規定による待遇の確保が求められることに留意することが示されます。
派遣元事業主が、労働者の過半数を代表する者が協定に関する事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮を行うに当たっては、当該配慮として、例えば、労働者の過半数を代表する者が労働者の意見の集約等を行うに当たって必要となる事務スペースや事務機器の提供(イントラネットや社内電子メールを利用させることを含む。)を行うこと等が考えられることが示されます。また、派遣労働者が異なる派遣先に派遣されているため意見交換の機会が少ない場合等も考えられることから、過半数代表者を選任するための投票等に併せて意見や希望等を提出させるなど、派遣労働者の意見がより反映されるための工夫をするよう努めることが示されます。
派遣元事業主は、協定対象派遣労働者の待遇の改善を進める観点から、労働者派遣法30条の4第1項2号の賃金の決定の方法を協定で定めるに当たっての、次の留意点が示されます。
- 労働者派遣法第 30 条の4第1項第2号イの厚生労働省令で定める賃金の額(一般賃金水準)を遵守した上で、経済・物価動向及び賃金動向を勘案して協定に定める賃金の額を決定することについて労使で十分に協議することが考えられること。
- 一般賃金水準が下がった場合であっても、従前の協定に定める賃金の額を基礎として、公正な待遇の確保について労使で十分に協議することが望ましいこと。
- 労使で十分に協議を行ったとしても、待遇を引き下げる場合、労働条件の不利益変更となり得るものであり、労働条件の不利益変更には、原則として労使双方の合意が必要であること
派遣元事業主は、協定を締結したとき(改定したときを含む。)および労働者を雇い入れたときは、当該協定について書面の交付等ににより周知を行うことが示されます。
次に派遣労働者の待遇に関する説明等についてみてみましょう。概要は下図を参照してください。

派遣労働者に対する説明の方法について、派遣元事業主は、①資料を活用し、口頭により説明する方法または②説明すべき事項を全て記載した派遣労働者が容易に理解できる内容の資料を交付する等の方法により説明すること、また、資料を活用し、口頭により説明する場合には、説明に活用した資料その他の関連資料を交付することが望ましいこと、さらに、労働者の個人情報等の漏えいを防止する等の観点から当該資料を交付することが困難な場合であっても、派遣労働者から事後に求めがあったときは当該資料を閲覧させる等の工夫をするよう努めることが示されます。
また、派遣元事業主は、派遣労働者から説明の求めがない場合であっても、労働契約の更新の際等に、当該派遣労働者に対し、派遣労働者が待遇の相違の内容及び理由等について容易に理解できる内容の資料を交付することや、待遇の相違の内容及び理由等について説明を求めることができることを周知すること等が望ましいことが示されます。



