無期転換ルールの改正動向②

世界の労働基準監督署からVOL006:中央労働基準監督署

更新上限の設定については、それ自体としては違法になるものではありませんが、上限の有無が不明確な場合には、労働者が契約更新や無期転換の期待を抱く可能性があり、労使の認識の相違からトラブルが生じやすいなどの理由から、紛争の未然防止や解決促進のため、使用者に、①更新上限の有無及びその内容の労働条件明示の義務づけ(労基則5条1項1号の2の「更新する場合の基準」の中に更新上限の有無・内容が含まれることの明確化)、②最初の契約締結より後に更新上限を新たに設ける場合には、労働者からの求めに応じて、上限を設定する理由の説明の義務づけ(雇止め基準における規定の追加)を措置することが適当とされました。

次に無期転換者と他の無期契約労働者との待遇の均衡についてみていきたいと思います。パート・有期労働法に基づく待遇の均衡については、有期労働契約の時点で通常の労働者との均衡が図られるべきとされていますが、無期転換後は、パートタイムであればパート・有期労働法の適用があるが、フルタイムであれば同法の適用はありません。したがって、フルタイムの無期転換者と他の無期契約労働者との待遇の均衡は、原則として労使自治に委ねられるものとなりますが、労契法3条2項を踏まえた均衡の考慮は無期転換者についても求められるものであり、その点の周知を図ることされました。

また、無期転換者と他の無期契約労働者との待遇の相違について、使用者からの説明が不十分であるため、労使間で理解の相違があることも考えられることなどから、無期転換申込権が生じた有期契約労働者に無期転換後の労働条件について通知するタイミングを活用して、無期転換後の労働条件に関する決定をするにあたって労働契約法3条2項の趣旨を踏まえて均衡を考慮した事項について、労契法4条1項の趣旨を踏まえて労働者の理解を深めるため、また、労使間の検討の契機とするため、使用者に十分な説明をするよう促していく措置を講じることが適当とされました。

以上のように、報告書では細かい論点についても議論されていますので、現時点での問題点とその考え方を理解するうえでも有用なものといえるでしょう。

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参考リンク

第177回労働政策審議会労働条件分科会(厚生労働省HP)

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